中学入試の算数は何が難しい?絶対に押さえる対策法を専門家が解説

中学入試の算数はなぜ難しい?特徴と求められる力

学校算数とは“別物”の思考力が求められる

「中学 入試 算数」は、学校算数の延長ではありません。
出題の目的がまったく異なるため、必要な力も違います。

学校算数
→ 計算力・基本的な理解を確認する試験

中学入試算数
→ 論理的思考力、空間認識、条件整理、発想力が問われる試験

とくに中学入試では、

  • 初見問題に対応する力
  • 状況を図化して整理する力
  • “考え方の筋道”を言葉にできる力

が求められます。

そのため、
「解法を覚えるだけ」ではすぐに限界が来る
のが中学入試算数の特徴です。


図形・立体・空間認識は最難関ポイント

中学入試算数の中でも最も差が出るのが図形・立体問題です。

例:

  • 展開図
  • 切断
  • 回転体
  • 投影図
  • 立方体の体積変化

これらは、小学校の授業で扱う機会が少なく、
“子どもが実際に見たことのない世界”から出題されます。

脳科学研究でも(Shepard & Metzler, 1971)
立体の回転操作は大人でも難しい認知タスクとされ、
小学生が図だけで理解しようとすると負担が大きいことがわかっています。

だからこそ、
立体図形は実物を使ったほうが圧倒的に理解が早い
という特徴があります。


途中式・過程の理解が得点力を左右する

中学入試算数は、

  • 「なぜその式になるのか」
  • 「どんな考え方で整理したのか」

といった“思考過程”が得点を決めます。

思考の整理ができていないと、
途中で混乱したり、計算ミスを引き起こしたりします。

そのため、
算数力=考え方を言語化できる力
と言い換えることもできます。


中学入試の算数で落とし穴になりやすい単元

文章題の「状況イメージ」が不足しがち

中学入試の文章題は、
文章が長く、状況設定も複雑です。

  • 頭に情景が浮かばない
  • 図を描けない
  • 条件整理ができない

という状態では、どれだけ計算が得意でも太刀打ちできません。

文章題が苦手な子は、
“イメージができていない”だけ
というケースが非常に多いです。


比・割合・速さはつながっている(基礎が崩れやすい)

中学入試算数で必ず出るのが、

  • 割合
  • 速さ

の3分野。

実はこの3つはすべてつながっており、
どれか一つが弱いと芋づる式に崩れます。

例:
割合が弱い → 比が理解できない
比が曖昧 → 面積・体積の比で苦戦
速さが弱い → 水量・食塩水で混乱

だからこそ、
4〜5年生での基礎固めが最重要
となります。


展開図・切断・体積・投影図は“実体験”が少ない

中学入試算数の中でも最難関領域が立体図形です。

「切断面がわからない」「回転体をイメージできない」
という悩みは、実体験がほぼゼロだから起こるものです。

立体図形は、

  • 見る
  • 触る
  • 動かす

という“体験”を通して理解する領域です。

紙の図だけで理解できる子は例外で、
多くの子は実物操作で理解が進みます。


中学入試算数を伸ばすための家庭学習のポイント

図を書く・声に出す・手を動かす“三位一体学習”

算数を伸ばす家庭は例外なく、
次の3点を大切にしています。

  1. 図にする(視覚化)
  2. 声に出す(言語化)
  3. 手を動かす(体験)

この“三位一体”の学習は、
抽象的な内容が多い中学入試算数に最適です。

文章題でも図形でも、
この3つが揃うと理解のスピードが劇的に変わります。


立体図形は見て触って動かすほど理解が深まる

立体図形は、紙上の図だけでは理解に限界があります。

  • 切断面の形
  • 展開図と立体の対応
  • 回転体のイメージ
  • 体積変化の理解

これらは、“実際に動かしてみる”ことで
一気に明瞭になります。

教育心理学でも、
空間認識は経験によって伸びる能力
と認められています。

家庭で立体図形に触れる環境があるだけで、
受験学習が驚くほどスムーズになります。

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過去問は「量より質」—考え方の型をつくる

中学入試直前に多い誤解が、

「過去問をたくさん解けば算数が伸びる」

という考え方です。

実際には、

  • どの考え方を使ったか
  • 何を間違えたか
  • 次はどう直すか

を“深掘りする”ことが重要です。

過去問は
「解けた/解けなかった」ではなく、「考え方の収集作業」
と捉えるだけで、学習効率が大きく変わります。


学年別・家庭でやるべき算数対策

4年生|基礎の積み上げと図形の“触れる体験”

4年生は中学入試算数の土台となる時期です。

この時期に大切なのは、

  • 割合・比の基礎
  • 図を書く習慣
  • 立体図形に触れる体験
  • 計算ミスの改善

特に立体図形は、触れた量がそのまま後の理解に直結します。


5年生|弱点の可視化と応用への橋渡し

5年生は“算数が伸びる子と伸びない子の分岐点”になります。

優先すべきは、

  • 弱点単元の洗い出し
  • 応用問題へのステップアップ
  • 図形(平面・立体)への継続的な触れ方
  • 過去問の入り口としての単元別演習

この時期に放置した弱点は6年生で必ず表面化します。


6年生|過去問分析と合格点を取る戦略的学習

6年生で重視すべきは、

  • 過去問の傾向分析
  • 合格点までの距離の把握
  • 時間配分の練習
  • 記述・考え方の言語化

また、立体図形・切断・体積・投影図といった“差が出る単元”は、
最後まで得点源に伸ばす価値があります。


まとめ|中学入試の算数は“理解の積み上げ”で必ず伸びる

中学入試の算数は、
単純な計算力ではなく
“状況理解・空間認識・論理的思考・条件整理”
といった本質的な力が問われます。

だからこそ、

  • 図を書く
  • 説明する
  • 手を動かす
  • 立体図形を体験的に理解する
  • 過去問は質で取り組む

という学習が効果的です。

どの子も一歩ずつ積み上げれば、
必ず算数力は伸びます。焦らなくて大丈夫です。

\【中学受験】立体図形が “伸び悩みの壁” になっていませんか?/

中学受験の算数で、最も「家庭では教えにくい」と言われるのが立体図形です。

  • 平面図だけではイメージできない
  • 切断・回転・展開図が頭に入らない
  • 問題文と図が一致しない
  • 点数が安定しない

こうした悩みは、“見て・触って・動かして理解できる教材” を使うと、驚くほど改善します。

家庭学習でも、立体図形が “実際に目の前で動かせる” ことで、
子どもたちの理解スピードが一気に変わります。

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