算数のみで中学受験は可能か?
「算数だけは得意。
できれば算数中心、もしくは算数のみで受験できないだろうか?」
この疑問を持つご家庭は少なくありません。
結論から言うと “可能ではあるが、学校と戦略を厳選すれば” です。
無理ではありません。
ただし、算数だけで突破するには“特有の条件”があります。
学校別に「算数重視」の度合いは大きく異なる
多くの中学は、
- 4科入試(国語・算数・理科・社会)
- 2科入試(国語・算数)
という形が基本です。
そのため、「算数のみ受験」という方式は一般的ではありません。
ただし一部では、
- 算数1科入試
- 思考力(算数系)入試
- STEM型入試
なども存在します。
特に首都圏では算数重視の傾向が年々強まっています。
算数1科入試は実在するが、対象は限られている
算数1科入試を導入している学校は実在しますが、多くは
- 難関校
- 思考力重視校
- 特殊入試枠
に限られます。
また、この形式は“算数が圧倒的に得意な受験生”が集まるため、
競争レベルは高くなります。
算数だけで突破するためには“突出した算数力”が必須
算数のみで戦うということは、
1科目で合否が決まる=ミス=致命傷 を意味します。
必要な力は次の通り。
- 空間認識力
- 論理的思考力
- 図化能力
- 試行錯誤のスピード
- 体積・比・速さ・場合の数の深い理解
すべてを鍛える必要があります。
「算数が少し得意」程度では不十分で、
“算数が突出して強い”ことが条件となります。
算数だけで戦える子の3つの特徴
算数のみ受験に向いている子には、
明確な3つの共通点があります。
空間認識・論理的思考が突出している
特に 立体図形・切断・投影図・展開図 の理解スピードが速い子は、算数1科型に向いています。
空間認識は小学生でも鍛えられる力で、
- 立体を動かす
- 展開図を組む
- 切断面を実際に見て理解する
こうした経験の積み重ねが重要です。
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図化と情報整理が正確にできる
算数は「図の量」と「図の正確性」で正答率が決まります。
算数のみ受験で結果を出す子は、例外なく
- 線分図
- テープ図
- 立体スケッチ
- 樹形図
を正しく書く力を持っています。
過去問で“問題の構造”をつかむ力がある
算数の問題はパターンが存在します。
- 速さ:出会い・追いつき
- 比:配分・割合・濃度
- 立体:体積変化・表面積変化
- 場合の数:選び方・並べ方
これらの構造を読み取れる子は、算数1科型で強い戦い方ができます。
算数のみで合格を目指す場合の最重要学習法
算数単科受験は、
弱点1つ=失点=不合格 になりやすいため、
“穴をなくす学習”が重要です。
弱点を徹底分析し、分野ごとに穴を埋める
算数の弱点は次の3タイプに分類できます。
- 知識の穴(公式や性質を知らない)
- 理解の穴(意味が分かっていない)
- 処理の穴(手順やスピードが遅い)
弱点を構造的に特定し、分野別に補強することで伸びが加速します。
立体図形は実物を使って鍛える
算数のみ受験に挑む子は、
立体図形を「感覚ではなく、構造」で理解する必要があります。
- 展開図を組む
- 立体を動かす
- 切断面を見る
- 体積変化を再現する
立体図形は“経験量”で差がつきます。
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文章題は「読み上げ+図化」で理解力を伸ばす
国語力は関係ありません。
必要なのは「関係整理の力」です。
家庭でできる最も効果的な方法
- 親が問題を読み上げる
- 子がキーワードを線で結ぶ
- 図化して関係を整理する
- 小さい数で試す
- 考え方を口で説明する
文章題の正答率が大きく改善します。
過去問は“精読型”で取り組む
算数1科入試は、
「過去問の構造理解」が最重要です。
- 1問を丁寧に読み解く
- 図を描き直す
- 切断や体積変化を再現する
- なぜこの発想が必要か言語化する
過去問の“読み込み量”が合格を左右します。
算数のみ受験を選ぶメリットとリスク
算数のみ受験は魅力も大きい一方で、
リスクも明確です。
得意科目を伸ばせるメリット
算数に強い子は、算数だけに集中することで
- 得点力の最大化
- 合格可能性の向上
- 成績の伸びやすさ
を得られます。
合格校が限定されるリスク
算数1科入試を実施している学校は限られているため、
- 選択肢は狭い
- 学校のレベルと適性が合わない場合がある
というリスクがあります。
算数失敗=不合格につながるリスク
1科受験はミスが致命的です。
- 1問の読み落とし
- 図の書き間違い
- ケアレスミス
だけで順位が大きく変動します。
そのため算数1科型は、
「爆発的に得点するタイプの子」ほど向いていると言えます。
まとめ|算数のみ受験は“戦略を知っていれば”可能
算数のみで中学受験を突破することは、
適性が合えば十分に可能です。
重要なのは次の3点です。
- 得意を最大化すること
- 弱点を残さないこと
- 立体・図形・文章題の理解を“構造化”すること
算数は正しい学習順で取り組めば、
必ず伸びる科目です。
焦らなくて大丈夫です。
お子さまの理解は“一歩ずつ”積み重なり、確実に成績へつながります。
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