2018年 開成中算数の全体像と難易度
開成中の算数は、毎年「完成度の高い出題」で知られています。
2018年も例外ではなく、難問奇問ではなく考え抜かれた設計が特徴でした。
「灘が瞬発力・空間特化型」だとすれば、
開成は “理解の深さ” と “論理の美しさ” を問う試験 といえます。
試験の特徴:スピードより“深い理解”
開成の算数は、制限時間こそ厳しいものの、
単純なスピード勝負ではありません。
- 問題構造を正しく読み解く力
- 図化して整理する力
- 条件の本質を理解する力
- 推論の一貫性
これらがないと得点できません。
塾の演習だけでは「得点の壁」が出やすい理由はここにあります。
難易度はやや高め—図形と論理のバランス型
2018年の全体難易度は やや高め。
しかし「灘のような超難問」は少なく、
丁寧に積み重ねれば十分対応可能な問題が多い年でした。
また、図形・体積・切断など空間認識を問う問題も出題されており、
思考の幅が必要な内容だったといえます。
合格者が得点するのは「基本の取りこぼしゼロ」
開成は
- 高度な問題:部分点を狙う
- 標準的な問題:確実に取り切る
という戦略が功を奏します。
特に2018年では、大問1と2での失点が合否を左右しました。
大問別・2018年開成算数の分析
2018年の開成算数は、大問3つの構成で非常に洗練されています。
大問1:典型問題の中に潜む“思考の角度”
大問1は標準的な小問集合ですが、
解けるかどうかは 思考の角度を変えられるかにかかっています。
- 比の変換
- 図形の基本性質
- 数の性質
- 規則性の初歩
- 面積と体積の導入要素
単なる暗記では対応できず、
「なぜその式になるのか」を理解している子が強い領域です。
大問2:文章題は構造理解が鍵
2018年の大問2は、
複数の条件を論理的につなぐタイプの文章題が出題されました。
- 条件を箇条書き化
- 図化
- 不要情報を切り捨て
- 条件整理
- 絞り込み
この一連の流れを安定して行える子は、開成との相性が良いです。
“計算よりも構造理解”が問われる典型的な開成型問題でした。
大問3:空間認識・体積・切断の複合問題
2018年の大問3は、多くの受験生がつまずいた“超重量級”の図形分野。
- 切断
- 体積変化
- 展開図
- 投影
- 空間内の位置関係
など、複数の概念が絡み合っています。
紙の上で理解しようとすると限界があり、
空間を実際に動かせる力が必要でした。
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立体を触って理解した経験がある子は、
この大問3で明確に得点差がつきました。
2018年開成算数が“本当に”問う算数力
開成は、単なる公式暗記では解けない問題を出題します。
2018年は特に、“本質的な算数力”が強く問われました。
情報整理力と論理的推論
文章題・条件整理問題では、
正しく情報を整理し、矛盾がない推論をする力が必須です。
- 表で整理できるか
- 図を描けるか
- 条件の依存関係を理解できるか
- 矛盾を発見できるか
開成は「思考の流れ」を見ています。
空間認識と図形の操作性
大問3の図形はとくに、
- 立体を回転させる
- 内部を切断して断面を追う
- 体積比を求める
- 投影図で位置を把握する
という操作が必要です。
空間認識は、過去問の練習だけでは限界があります。
抽象化と一般化
開成は「抽象化」の力を重視します。
- この図形は何を表すか
- この条件はどんな構造か
- この式はどんな意味か
- 別の問題に応用すると?
開成受験生は一般化能力を持っているかどうかで
得点力に大きな差がつきます。
家庭でできる|2018年から逆算した開成算数の対策
ここからは、家庭での学習として
最も効果が高い方法を具体的に解説します。
① 過去問は“出題意図”から読み取る
開成の過去問は「解けた/解けない」で終わらせてはいけません。
- なぜこの問題が出た?
- 何を測ろうとしている?
- どんな思考が必要?
- 他の年度と共通点は?
こうした視点で見ると、開成の“型”が見えてきます。
② 図形は具体物で理解速度が跳ね上がる
空間認識は、家庭での対策が大きく効果を発揮します。
とくに2018年の大問3のような問題は
図形を動かして理解できると、理解が一気に進みます。
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具体物での学習は思考の基礎を作り、
開成型図形の“速く深い理解”につながります。
③ 文章題は「条件→図化→整理」で安定
開成の文章題では、
図が描けるかどうかが得点力を左右します。
家庭でも、
- 条件を書き出す
- 図に整理する
- 表にまとめる
- 絞り込む
- 矛盾を消す
この流れを習慣化しておくと、急激に成績が安定します。
④ スピードよりも“論理の正確さ”を磨く
開成は、
「速くてもミスが多い子」は伸びにくい傾向があります。
開成の本質は“正確な理解の積み重ね”。
- 図の精度
- 条件読み取り
- 丁寧な推論
- 落ち着いた結論導出
これらを丁寧に行うことで、
開成算数の得点力が大幅に向上します。
まとめ|2018年開成算数は“理解の深さ”を測る試験
2018年の開成算数は、
- 論理的思考
- 情報整理
- 空間認識
- 抽象化
- 図化スキル
など、上位難関校に必須の能力が集約された良問揃いでした。
決して奇抜な問題はなく、
“理解の深さ” と “丁寧な推論” ができれば合格点に届きます。
焦らず、一歩ずつ積み重ねていけば
2018年レベルの開成算数にも十分対応できます。
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開成中の算数で、毎年「合否を左右する」と言われるのが立体図形です。
- 問題の構造が複雑でイメージできない
- 切断・回転・容積変化の思考が追いつかない
- 図を頭の中で再現できない
- 過去問の正答率が安定しない
こうした悩みは、実物の立体を “見て・触って・動かして” 理解できる教材を使うと、劇的に改善します。
特に開成の立体図形は、「文章 → 図 → 論理」を高速でつなぐ“空間認識力”が必須。
家庭学習でも、立体を手で動かしながら学べるだけで、理解スピードが大きく変わります。
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