2022年中学受験算数の全体像
2022年の中学受験算数は、
「解く早さ」より「考える質」 を重視する傾向がより鮮明になりました。
入試全体として難度は“二極化”しており、
上位校は「思考の深さ」を、
中堅校は「確実な基礎力」を測る問題が多く出題されました。
2022年は「処理速度より思考力」重視の年
2022年の算数では、計算力の高さだけでは得点が伸びづらく、
- 条件を言葉で整理する
- 図に落とし込む
- 問題の構造を理解する
- 試行錯誤しながら論理をつなぐ
という思考力が強く求められました。
一方で、基礎計算でのミスは確実に落とすため、
“正確に考え、正確に処理する力”が合否を分ける年でした。
図形・割合・速さは引き続き差がつく分野
特に2022年も差がついた単元は、
- 立体図形
- 投影図
- 速さ
- 割合と比
- 場合の数
- 論理型文章題
といった“理解の深さが要求される”領域です。
「文章が長い」「条件が徐々に増える」「図化が不可欠」
という特徴を持つ問題が多く、
処理速度だけでなく、可視化する力が必要でした。
難度は中堅〜最難関で二極化
中堅校では、基礎問題+標準問題が中心で、
“確実に点を取る力”が求められました。
一方、最難関校(灘・開成・麻布・桜蔭など)では、
- 多段階推論
- 条件の抽象化
- 立体図形の高度な操作
- 頭の中での空間処理
など、難度の高い思考型問題で差がつきました。
2022年の算数を単元別に詳しく分析
立体図形・投影図は難化傾向
2022年は、
「立体図形 × 投影図 × 体積変化」
の複合問題が難化しました。
共通していた特徴は、
- 切断面の形が複雑
- 体積を部分ごとに把握する必要がある
- 投影図と実際の立体を往復する操作が必要
- 回転・移動など“動き”の概念を理解していることが前提
です。
机上だけでは理解が難しく、
“立体を実際に動かして理解してきた経験”が点数に直結します。
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速さ・場合の数は“文章の構造化”がカギ
速さの問題では、
単純な距離・時間・速さの公式以上に、
- 時間軸の整理
- 位置関係図
- 変化の表
などを使って“見える化”する力が得点に直結しました。
場合の数でも、
- 樹形図
- 表
- 位置のルール化
など、“整理力”が求められました。
割合・比は「推論の正確さ」で差がつく
割合は、2022年は標準レベルが中心でしたが、
「比を使った逆算」や「変化の連立」など、
推論を途中で間違えると大幅な失点につながる問題もありました。
特に、2段階・3段階の比の変化を扱う問題は、
記述解法の練習量が結果に反映されやすい単元でした。
数論は平易だが条件整理の質が問われる
- 整数の性質
- 余り
- 偶奇
- 規則性
などの問題は標準レベルが中心でしたが、
“条件を正しく言語化できるか”
が合否を分けました。
文章の意味を丁寧に理解し、
自分の言葉で整理する習慣が重要です。
2022年の問題から読み解く「合格する子の算数力」
情報を“図と表”で整理する力
2022年の算数では、
整理の精度がそのまま得点差につながりました。
- 条件を図にする
- 変化の関係を表にする
- 図と言語を行き来する
この力は、家庭学習でも確実に鍛えることができます。
抽象化して本質を捉える力
最難関校では、
数値に惑わされず、構造を抽象化して理解する力が必要でした。
例えば、
- 「これは実は割合の問題」
- 「この図形は分割すれば解きやすい構造」
- 「条件は2つだが、本質は1つ」
といった気付きが得点の分かれ目です。
立体を動かして理解する経験値
立体図形は、経験量が結果に直結します。
- 切断
- 展開図
- 回転体
- 投影図
- 体積変化
など、“見て・触って・動かして理解してきた子”は強く、
2022年はとくにその傾向が顕著でした。
家庭でできる|2022年中学受験算数の最適な勉強法
① 計算より“思考の流れ”を丁寧に追う
2022年は“思考の質”が得点に直結します。
- なぜその式を立てたのか
- 条件をどう整理したのか
- 図のどの部分が解法につながったのか
を言語化しながら学習すると、
文章題の理解が圧倒的に深まります。
② 図形は具体物の活用が効果絶大
立体図形の理解は、
具体物を使うのがもっとも効果的です。
2022年の難問立体を見ても、
机上のイメージだけで理解するには限界があります。
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短期間で伸びる単元だからこそ、
家庭でのアプローチが非常に有効です。
③ 過去問は量より質を重視
2022年は「過去問の質」を重視することで得点が伸びやすい年でした。
- 解けなかった理由を言語化
- 図化の精度を確認
- 同じミスを繰り返さない仕組みづくり
ただ問題数をこなすだけでは伸びません。
④ 文章題は「言語化→図化→式化」の順で取り組む
文章題に強い子は、
この順番が徹底されています。
- 言語化
- 図化
- 式化
2022年の長文問題も、
この順で整理するとシンプルに理解できます。
まとめ|2022年中学受験算数は“考える力”を幅広く試す良問揃い
2022年の中学受験算数は、
- 思考力
- 情報整理力
- 空間認識
- 抽象化
- 推論の正確さ
など“考える力”を幅広く試す内容でした。
焦らなくて大丈夫。
正しいアプローチで学習すれば、
算数の成績は必ず上向きます。
家庭での関わりが、お子さまの大きな助けになります。
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中学受験の算数で、最も「家庭では教えにくい」と言われるのが立体図形です。
- 平面図だけではイメージできない
- 切断・回転・展開図が頭に入らない
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