SAPIX算数が「できない」と感じる本当の理由
なぜSAPIX算数は難しく見えるのか
「SAPIX 算数 できない」で検索する保護者の多くが感じているのは、
“問題そのものが急に難しくなった” という感覚です。
ただし実際には、問題の難易度よりも、
- 思考プロセスを言語化する力
- 条件を整理する力
- 図形を立体的に捉える空間認識力
- 論理的に筋道を立てる力
といった “思考スキルの未発達” が原因であることが多いです。
特に図形分野では、展開図・切断・体積・投影図などが早期に導入されるため、
平面だけで理解しようとする子は苦手意識を持ちやすい傾向があります。
知識ではなく“思考力”を問われる授業設計
SAPIX算数は、四谷大塚や早稲アカと比較すると、
- 解法暗記では対応できない
- 高度な応用問題が多い
- 図形の比・切断などが早期に登場する
- 条件整理力を徹底的に問う
という特徴があります。
論文(OECD学習到達度調査:PISA)でも、
「高難度問題では論理的思考力の差が結果に直結する」 と報告されており、
SAPIX算数の構造はまさにそれを体現しています。
算数が得意な子との差が開きやすい構造
SAPIXでは授業の進度が早いため、
- 授業で“初見で理解できる子”
- 復習しても理解が追いつかない子
という 二極化 が起きやすいのが実情です。
特に図形分野で実物イメージがないと、
平面図のまま理解しようとして混乱し、
その後の「比」「体積」「切断」に連動して苦手が広がります。
学年別に異なる「つまずきポイント」
小4:抽象度の急上昇と割合・図形への入口
小4は算数の抽象度が一気に上がる学年です。
- 四角形の性質
- 面積の公式
- 割合の導入
- 立体図形の入り口
ここでつまずくと、その後の小5・小6に一気に影響します。
特に立体図形では、
- 展開図の向きがわからない
- 切断後の形がイメージできない
- “見取図”を平面図として捉えてしまう
という悩みが多く見られます。
この段階で、平面→立体の変換に慣れることが極めて重要です。
小5:SAPIX最大の壁「応用・発展問題」
小5は SAPIX算数で最も成績が乱れやすい学年 です。
特に難度が高いのは、
- 立体図形の切断
- 体積比
- 場合の数
- 速さと比
- 割合の複合問題
これらは全て「条件整理」と「図示力」に直結します。
小5で成績が下がる子の多くは、
図を自分の手で描いていない という共通点があります。
文章を読む → 条件を書く → 図で整理する
このプロセスができないと、応用問題は太刀打ちできません。
小6:合格力授業で“弱点が露呈”しやすい理由
小6になると、いよいよ過去問演習が本格化します。
SAPIXでは、小5までの内容理解が不十分だと、
- 平面図形→立体図形の変換ができない
- 比と図形が混ざった問題で手が止まる
- 投影図や切断で時間を消費する
といった弱点が一気に表面化します。
ここでもポイントとなるのが 空間認識力。
立体図形は過去問にも頻出し、合否を分ける大問になりやすいです。
「できない」を克服する家庭学習のつくり方
まず“基礎理解”を固める勉強順序
SAPIX算数は応用問題が多いとはいえ、
家庭学習で優先すべきはシンプルに 基礎 です。
- 授業の復習
- デイリーサピックスを完璧に
- 基礎トレで計算力を安定
- 図形・割合の基本を確実に理解
- 応用問題へステップアップ
この順序が崩れると、「できない」という感覚が強くなります。
焦らなくて大丈夫。
基礎をしっかり積み重ねていけば、必ず応用も解けるようになります。
図形対策は紙だけでは限界がある
中学受験の図形問題では、
- 展開図
- 切断
- 体積
- 投影図
など、平面の紙のまま理解するのが難しい場面が多くあります。
実際、教育心理学の研究でも
「立体操作の経験がある子は空間認識力が向上する」 と報告されています。
もし図形で特に苦手意識がある場合は、
一度、実際の立体を手で動かして理解する経験を取り入れると
理解スピードが大きく変わります。
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文章題は「条件整理力」を先に伸ばす
文章題でつまずく理由の8割は、
文章量ではなく“整理の仕方” にあります。
- 表にまとめる
- 図に描く
- 時系列に整理する
- 条件を抜き出す
この順序を日々訓練するだけで、応用問題の正答率は上がります。
SAPIXは特に文章量が多いので、
「問題文を読みながら図を書く」習慣が効果的です。
SAPIX算数が伸びる子の共通点
復習主義の徹底
SAPIX合格者の共通点は、
当日のうちに復習する習慣 を持っていることです。
授業内容が“思考のフレッシュな状態”で復習できるため、
理解定着が格段に早くなります。
問題を分類できる子は成績が安定する
SAPIX算数で成績が安定する子は、
- 「これは比の問題」
- 「これは場合の数の型」
- 「これは切断の典型」
というように、問題を分類して捉える癖 がついています。
分類ができると、得点のブレが少なくなり、
テストの「戦い方」が上手くなります。
空間認識・立体図形の強さが得点源に
偏差値60以上の層では、
立体図形の得点力がトップ層とそれ以外を分ける最大要因 になります。
- 切断のイメージ化
- 展開図の組み立て
- 投影図の理解
- 体積比の操作
これらは中学入試の頻出分野で、
最も差がつきやすいポイントです。
もし図形を得意科目にしたい場合は、
紙の学習に加えて、
「立体を触って理解する時間」を週1回だけでも入れると
驚くほど点数が安定します。
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まとめ:SAPIX算数は“正しい順序”で必ず伸びる
SAPIX算数は確かに難易度が高く、
「できない」と感じる保護者が多いのは自然なことです。
しかし、原因の多くは
- 思考力の段階的不足
- 図形のイメージ化不足
- 条件整理の弱さ
- 基礎理解の穴
といった“改善できる要素”に集約されています。
焦らなくて大丈夫です。
正しい順序を踏めば、必ず算数力は上向きます。
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中学受験の算数で、最も「家庭では教えにくい」と言われるのが立体図形です。
- 平面図だけではイメージできない
- 切断・回転・展開図が頭に入らない
- 問題文と図が一致しない
- 点数が安定しない
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家庭学習でも、立体図形が “実際に目の前で動かせる” ことで、
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