すらすら解ける魔法ワザは中学受験に有効?特徴と使い方を専門家が解説

すらすら解ける魔法ワザとは?中学受験向け参考書の特徴

「すらすら解ける魔法ワザ」は、中学受験でよく出題される“標準〜応用レベル(正答率35〜60%)”の問題を扱い、
「必要な知識」と「その使い方」をワンセットで理解できるように作られた参考書シリーズです。

特徴は大きく4つあります。


入試頻出の“正答率35〜60%ゾーン”を厳選

中学受験算数では、
正答率35〜60%の問題が合否を大きく左右します。

なぜなら、高偏差値帯の生徒も取りこぼす一方、
基礎が固まっていれば確実に拾える得点源だからです。

魔法ワザは、

  • 難問(正答率10%レベル)
  • 奇問
  • 一部の超上位校特有の問題

をあえて省き、
“全受験生に必要な問題”だけに絞られているのが大きな強みです。

「入試に必要な部分だけ効率よく学びたい」
という家庭にはピッタリです。


知識+使い方をセットで理解できる構成

他の参考書では、

  • “公式や知識の説明だけ”
  • “問題だけ”

になりがちですが、

魔法ワザは、

  • この単元で必要な知識
  • その知識をどう使うか(思考の流れ)
  • 例題→練習問題→チャプターチェック

という構成で進むため、
「覚える → 使う → できる」の流れが自然にできる仕組みになっています。

文章が短めで、図とセットで解説されているため、
算数が苦手な子でも読みやすい点がメリットです。


図が豊富で直感的に理解しやすい

魔法ワザの最大の魅力が視覚的な説明です。

  • 図を大きく
  • 場合分けを色で区別
  • 要点は吹き出しで解説
  • 解説文を最小限に抑える

といった工夫があり、
文章を読むことが苦手な子でもスムーズに理解できます。

特に、

  • 速さの線分図
  • 割合の面積図
  • 図形の補助線

などは、文章より図のほうが理解スピードが圧倒的に早い単元のため、非常に相性の良い構成です。


チャプターごとのチェックシートで理解度を確認しやすい

各章に「できた・できない」を確認できるチェックシートがついており、

  • 習熟度が一目でわかる
  • どこが理解できていないか把握できる
  • 親が管理しやすい

という点で、忙しい家庭でも続けやすい仕組みになっています。

中学受験では「やりっぱなし」が最大の敵なので、
復習まで含めた設計は非常に優秀です。


シリーズごとの特徴と使い分け(図形・文章題・計算)

魔法ワザは3つのシリーズにわかれています。
目的に合わせて使い分けることで効果が倍増します。


① 図形問題特化版

『中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 算数・図形問題』

  • 展開図
  • 角度
  • 面積
  • 体積
  • 相似
  • 線対称・点対称

など、図形に特化した1冊。

図形は“苦手になりやすい単元”であり、
算数偏差値が伸び悩む最大の原因にもなります。

基本の考え方を図解で理解できるため、
図形の基礎固めには最適な教材です。

ただし、立体を扱う単元(展開図・切断・体積変化)は、
紙面の限界があります。

空間認識は“実物で動かすほうが圧倒的に理解が早い”ため、
苦手な場合は
中学受験の頻出立体図形を網羅した、手に取って理解しやすくなる模型教材
のような補助教材との併用が効果的です。


② 超入門版

『算数・基本からはじめる超入門』

  • 小4の基礎(文章題・図形)
  • 小5の基礎固め
  • 小6の中堅校対策

に最適な1冊。

特徴は、

  • たった5ステップで文章題の解き方を整理
  • 図形も基礎からていねいに解説
  • つまずきやすいポイントを先回りして説明

という点で、
「塾の授業についていけない」「基礎が抜けている」子に非常に合う教材です。


③ 計算問題特化版

『中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 算数・計算問題』

  • 整数・小数・分数
  • 割合
  • 計算の工夫
  • 単位換算

など、“すべての土台”となる計算を集中的に鍛える1冊です。

中学受験では、

  • 計算力が弱い
  • ミスが多い
  • 速さが遅くて時間内に終わらない

という弱点が合否を左右します。

このシリーズは、
効率的な学習サイクル(例題→練習→確認)で計算力を底上げできる構成になっており、
特に小4・小5におすすめです。


すらすら魔法ワザで伸びる力・伸びにくい力

◎ 確実に伸びる力

  • 計算力
  • 基礎知識の整理
  • 図や表を使った“問題の見える化”
  • 基本的な図形理解
  • 文章題の入り口スキル

いずれも中学受験に必要な“土台”です。

魔法ワザは、
“わかりやすさ”に特化しているため、初学者が苦手を克服するのに非常に向いています。


△ 図形の初歩理解はできるが、空間認識までは届きにくい

図形問題のうち、

  • 平面図形
  • 角度
  • 面積
  • 比例関係

は魔法ワザで十分対応できます。

しかし、中学受験で頻出の以下は別対策が必要です。

  • 展開図
  • 切断
  • 体積変化
  • 投影図

これらは、頭の中だけで理解するのが極めて難しく、
実際に動かすと数秒で理解が進む単元です。

必要に応じて
中学受験の頻出立体図形を網羅した、手に取って理解しやすくなる模型教材
などの実物を併用すると効果が大幅に上がります。


△ 過去問レベルの“思考の深掘り”は不足しがち

魔法ワザは“基本〜標準問題”が中心のため、

  • 複雑な条件整理
  • 場合の数
  • 規則性
  • 難関校レベルの図形
  • 比と割合の応用
  • 旅人算・通過算の複合問題

などは、他の塾テキストや過去問で補う必要があります。


学年別のおすすめ活用法(小4・小5・小6)

小4:算数の基礎ルールを固める最良の導入書

小4は算数の“基礎の基礎”を学ぶ時期です。

魔法ワザを使うと、

  • 基礎が体系的に整理できる
  • 図を描く習慣がつく
  • 文章題の読解がスムーズになる

ため、塾に入る前後の家庭学習としてベストです。


小5:塾の伸び悩みを解消する“理解の穴埋め”に最適

小5は算数が一気に難しくなる時期です。

  • 分数×比×割合
  • 速さの複合
  • 図形の体積
  • 平面と立体の融合

など、単元が一気に高度化します。

魔法ワザを使うことで、

  • 基礎の抜けを発見
  • わからない原因を解消
  • 公式の“使い方”が身につく

など、理解の穴埋めができます。


小6:過去問演習前の基礎固めとして活用

小6になると、過去問を解く前に

  • 計算力
  • 基礎知識
  • 公式の使い分け

を補強しておく必要があります。

魔法ワザは短期間で復習できるため、
直前期の基礎固めに非常に効果的です。


魔法ワザだけでは不十分な理由と補完方法

中学受験は“知識の使い方”より“思考の組み立て”が重要

入試問題では、

  • 条件整理
  • 図形の変化
  • 数量の関係把握
  • 思考の順序立て

などが問われます。

魔法ワザはこの“思考の深さ”までは踏み込んでいないため、
小5後半〜小6は塾テキスト・過去問が必須です。


特に立体図形は実物で学ぶと理解が圧倒的に早い

展開図・切断・体積変化など、
“立体をイメージする力(空間認識)”は、
紙面だけでは伸びにくい分野です。

立体図形が苦手な子ほど、
実物モデルを手で動かしたほうが理解が爆発的に進みます。

もし図形が弱点なら、
中学受験の頻出立体図形を網羅した、手に取って理解しやすくなる模型教材
のような併用をおすすめします。


まとめ

「すらすら解ける魔法ワザ」シリーズは、

  • 入試頻出の“得点源”を厳選
  • 知識と使い方をセットで学べる
  • 図が多く直感的でわかりやすい
  • チェックシートで復習しやすい

という、基礎固めに非常に適した中学受験教材です。

一方で、

  • 思考力問題
  • 応用問題
  • 過去問レベル
  • 立体図形の深い理解

は別の対策が必要です。

特に図形が苦手な場合は、
実物を触ることで理解が劇的に進むため、早めの補強をおすすめします。

焦らなくて大丈夫です。
算数は「正しい順番で基礎 → 応用 → 過去問」と積み上げれば、
確実に力が伸びていきます。

\【中学受験】立体図形が “伸び悩みの壁” になっていませんか?/

中学受験の算数で、最も「家庭では教えにくい」と言われるのが立体図形です。

  • 平面図だけではイメージできない
  • 切断・回転・展開図が頭に入らない
  • 問題文と図が一致しない
  • 点数が安定しない

こうした悩みは、“見て・触って・動かして理解できる教材” を使うと、驚くほど改善します。

家庭学習でも、立体図形が “実際に目の前で動かせる” ことで、
子どもたちの理解スピードが一気に変わります。

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