中学受験算数の線分図|基本の書き方と使い方

\【中学受験】立体図形が “伸び悩みの壁” になっていませんか?/

中学受験の算数で、最も「家庭では教えにくい」と言われるのが立体図形です。

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  • 切断・回転・展開図が頭に入らない
  • 問題文と図が一致しない
  • 点数が安定しない

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中学受験算数で使う線分図の基本

中学受験ママ
中学受験ママ

線分図の基本から分かっていない気がして、私がどこから教えればよいのか不安です

この記事では、そんな悩みに対して、中学受験算数で使う線分図の意味、基本的な書き方、頻出問題での使い方、家庭での練習法を順番に解説します。

線分図は数量の関係を見えるようにする図

線分図とは、文章題に登場する数量を線の長さで表し、量どうしの関係を分かりやすくする図です。

たとえば、次の問題を考えてみましょう。

「姉は900円、妹は600円持っています。姉は妹より何円多く持っていますか」

この問題を線分図にすると、次のようになります。

姉 |―――――――|900円
妹 |――――|600円
差    |―――|?円

姉と妹の線の左端をそろえると、姉の線だけ長い部分が差だと分かります。

900-600=300

したがって、姉は妹より300円多く持っています。

線分図は、定規で正確な縮尺を測って描くものではありません。大きい量を長く、小さい量を短く表し、数量関係が伝われば十分です。

線分図で表せる4つの基本関係

線分図では、主に次の4つの関係を表します。

1つ目は、二つの量の大小です。どちらが多いか、少ないかを線の長さで表します。

2つ目は、差です。長い線と短い線の違う部分が差になります。

3つ目は、全体と部分です。一本の線をいくつかに分け、全体の中にどのような部分があるかを示します。

4つ目は、倍や比です。同じ長さのまとまりを何個分並べるかで表します。

たとえば、AさんがBさんの3倍持っているなら、Bさんを1つ分、Aさんを3つ分として書きます。

A |――|――|――|
B |――|

このように、文章中の「多い」「少ない」「合わせて」「何倍」「何対何」を線の形へ置き換えるのが線分図の基本です。

線分図を使う主な単元

中学受験算数では、線分図を幅広い単元で使います。

代表的なものは、次のとおりです。

・和差算
・分配算
・年齢算
・相当算
・割合
・比
・売買損益
・食塩水の基本問題

これらに共通するのは、二つ以上の数量を比べたり、全体と部分の関係を考えたりすることです。

一方、速さの変化は進行図やグラフ、場合の数は樹形図、規則性は表のほうが適する場合があります。

どの問題にも線分図を書くのではなく、量の大小、差、合計、割合、比を整理したいときに使うと考えましょう。

線分図の基本的な書き方

手順1は求めるものと比べる量を確認する

線分図を書く前に、問題文を読んですぐ線を引くのではなく、次の3点を確認します。

・何を求める問題か
・何と何を比べるのか
・分かっている数字は何か

たとえば、次の問題です。

「AさんはBさんの3倍のカードを持っています。2人で合わせて80枚です。Bさんは何枚持っていますか」

求めるものはBさんのカードの枚数です。比べるのはAさんとBさんのカードです。

分かっていることは、AさんがBさんの3倍で、2人の合計が80枚であることです。

ここまで整理できれば、必要な線がAさんとBさんの2本であると分かります。

家庭では、子どもに「最後に答えるものは何?」「誰と誰を比べるの?」と聞いてから書かせるとよいでしょう。

手順2は線の左端をそろえて書く

二つ以上の量を比べるときは、線の左端をそろえます。

兄 |――――――|
弟 |――――|

左端がそろっていれば、どちらが大きいか、差がどこにあるかを確認しやすくなります。

線の始まりがずれていると、線の長さを比べにくくなり、差の位置も分からなくなります。

和差算や年齢算では特に、左端をそろえることが重要です。

ただし、線の長さを正確に測る必要はありません。大小関係が分かる程度で構いません。

まずは線を1本ずつ書き、後から数字を入れると、図が複雑になりにくくなります。

手順3は同じ量を同じ長さで表す

倍や比の問題では、同じ量を同じ長さで表します。

先ほどの問題では、Bさんを1つ分とします。

B |――|

AさんはBさんの3倍なので、同じ長さを3つ分並べます。

A |――|――|――|
B |――|

Aさんの線を何となく長く書くだけでは、3倍という関係が図から読み取れません。

「3倍」は、同じ長さが3個あると表すのが基本です。

比が2対3の場合も同じです。

赤 |――|――|
白 |――|――|――|

同じ長さのまとまりが2個と3個あると表せば、全部で5つ分だと分かります。

手順4は数字・単位・疑問符を書き込む

線の骨組みができたら、分かっている数字を書き込みます。

A |――|――|――|
B |――|?枚
合計 80枚

数字だけでなく、「枚」「円」「歳」などの単位も入れます。

単位を書かずに「80」とだけ書くと、1人分なのか合計なのか分かりにくくなります。

差が分かっている場合は、長い線の余分な部分に書きます。

姉 |――――――|+400円
妹 |――――――|
合計 2,000円

求める部分には「?」を書きます。

線分図を見ただけで、何が分かっていて、何を求めるのか理解できる状態が理想です。

手順5は図から分かることを式にする

線分図が完成したら、図から最初に分かることを一つ探します。

Aさんが3つ分、Bさんが1つ分なら、合計は4つ分です。

80÷4=20

1つ分は20枚なので、Bさんは20枚です。

長い式を一度に作る必要はありません。

図から式を立てるときは、次の順番で考えます。

  1. 同じ部分が全部でいくつあるか
  2. 1つ分はいくつか
  3. 求める量は何個分か

和差算なら、最初に差を取り除き、その後で同じ部分に分けます。

保護者は「何算を使うの?」ではなく、「この図から最初に分かることは何?」と尋ねると、子どもが考えやすくなります。

線分図の基本を頻出問題で確認する

和差算は合計から差を取り除く

和差算では、二つの量の合計と差が分かっています。

「兄と弟の所持金は合わせて3,000円で、兄は弟より600円多く持っています」

兄 |――――――|+600円
弟 |――――――|
合計 3,000円

兄の余分な600円を合計から取り除くと、同じ部分が2本残ります。

3,000-600=2,400

2,400円を2本に分けます。

2,400÷2=1,200

弟は1,200円、兄は1,800円です。

和差算の基本は、公式を覚えることではありません。「差を取り除けば、同じ量が二つになる」と線分図から理解することです。

比の問題は1つ分をそろえる

「赤い玉と白い玉の数の比は2対3で、合わせて40個あります」

赤 |――|――|
白 |――|――|――|
合計 40個

赤が2つ分、白が3つ分なので、全部で5つ分です。

40÷5=8

1つ分は8個です。

赤は、

8×2=16

白は、

8×3=24

となります。

比の問題では、「2対3」を異なる二つの数字として見るのではなく、同じ大きさのまとまりが2個と3個あると考えます。

1つ分の大きさをそろえることが、線分図を使う基本です。

割合は基準となる量を決める

割合の問題では、何が100%にあたるのかを先に決めます。

「ある本を定価の20%引きで買ったところ、1,600円でした」

基準となるのは定価です。定価が100%、売価は80%です。

定価 |―|―|―|―|―|―|―|―|―|―|
売価 |―|―|―|―|―|―|―|―|=1,600円

売価の8つ分が1,600円なので、

1,600÷8=200

1つ分は200円です。

定価は10個分なので、

200×10=2,000

定価は2,000円です。

割合では、先に線を分けるのではなく、「何をもとにした割合か」を決めてから書き始めます。

年齢算は変わらない差に注目する

年齢算では、親も子も毎年1歳ずつ年を取るため、年齢差は変わりません。

「現在、母は42歳、娘は12歳です。母の年齢が娘の2倍になるのは何年後ですか」

現在の差は、

42-12=30歳

です。

母が娘の2倍になるとき、娘を1つ分、母を2つ分とします。

母 |――――|――――|
娘 |――――|
差    30歳

差の1つ分が30歳なので、そのとき娘は30歳です。

現在は12歳なので、

30-12=18

18年後となります。

年齢算では、現在と未来の年齢をばらばらに考えるより、変わらない差を線分図に残すと整理しやすくなります。

線分図の基本を家庭で定着させる方法

見本・穴埋め・白紙の順で練習する

線分図を初めて学ぶ子に、最初から白紙で書かせる必要はありません。

次の3段階で進めます。

1回目は、完成した線分図を見ながら写します。
2回目は、一部の線や数字が書かれた図を完成させます。
3回目は、問題文だけを見て白紙から書きます。

見本を写すときは、線の意味も確認します。

「この線は誰の量?」
「なぜこちらが長いの?」
「400円は差と合計のどちら?」

自分の言葉で説明できれば、形だけでなく内容も理解できています。

完成図と白紙の間に穴埋め練習を入れることで、自力で書く段階へ進みやすくなります。

1日10分は図だけを書く

文章題では、読む、図を書く、式を立てる、計算するという複数の作業を行います。

算数が苦手な子にすべてを一度に求めると、どこでつまずいたのか分からなくなります。

週に2~3回、1日10分程度、答えを求めずに線分図だけを書く時間を設けましょう。

1回に扱うのは1~2問で十分です。

・求めるものを確認する
・比べる量を決める
・線分図を書く
・図の意味を説明する

この4つだけに取り組みます。

新しい問題を大量に解くより、基本的な1問を自力で図にできるようにするほうが定着につながります。

保護者は完成図をすぐに教えない

子どもの手が止まると、保護者は正しい線分図をすぐに見せたくなるかもしれません。

しかし、毎回完成図を与えると、自分で最初の線を書く力が育ちにくくなります。

代わりに、次の質問を一つずつします。

「何と何を比べるの?」
「多いのはどちら?」
「同じ部分はどこ?」
「この数字は差と合計のどちら?」
「求める場所はどこ?」

それでも書けない場合は、最初の線だけ保護者が書き、続きを子どもに任せます。

答えを教えるのではなく、書き始めるきっかけを渡すことが大切です。

きれいさより数量関係を確認する

線分図を見ると、線の曲がりや文字の位置が気になることがあります。

しかし、最初に確認するべきなのは次の4点です。

・大きい量が長く表されているか
・同じ量が同じ長さになっているか
・数字と単位が正しい位置にあるか
・求める部分に「?」があるか

この4点が合っていれば、考えるための図として十分です。

線分図は作品ではありません。入試本番でも、短時間で数量関係を整理できる簡単な図が役立ちます。

「きれいに書けたね」だけでなく、「同じ部分をそろえられたね」と、数学的に正しい点を具体的に認めましょう。

まとめ

中学受験算数の線分図は、文章題に出てくる数量を線の長さで表し、大小、差、全体と部分、倍や比の関係を見えるようにする図です。

基本の書き方は、求めるものと比べる量を確認し、線の左端をそろえ、同じ量を同じ長さで表すことです。その後、数字、単位、差、合計、「?」を書き込みます。

図が完成したら、一度に答えを出そうとせず、同じ部分がいくつあるか、1つ分はいくつかという順番で式を立てましょう。

和差算では差を取り除く、比では1つ分をそろえる、割合では基準となる量を決める、年齢算では変わらない差に注目することがポイントです。

家庭では、見本、穴埋め、白紙の3段階で練習し、1日10分、1~2問から始めてください。

線分図の基本は、完成した形を暗記することではありません。文章に書かれた数量の関係を、自分で線に置き換えられるようになることです。

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