中学受験算数「数の性質」を基礎から解説

\【中学受験】立体図形が “伸び悩みの壁” になっていませんか?/

中学受験の算数で、最も「家庭では教えにくい」と言われるのが立体図形です。

  • 平面図だけではイメージできない
  • 切断・回転・展開図が頭に入らない
  • 問題文と図が一致しない
  • 点数が安定しない

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中学受験算数の「数の性質」とは

中学受験ママ
中学受験ママ

私が約数や倍数を説明しても、うちの子が本当に理解しているのか分からず不安です

この記事では、中学受験算数の数の性質について、基本用語の意味から入試問題の解き方、家庭での教え方まで順を追って解説します。

数の性質とは、整数が持つ決まりや関係を利用して考える単元です。

中学受験では、約数・倍数・素数・素因数分解・余りなどが中心となります。単独で出題されるだけでなく、規則性、場合の数、周期算などと組み合わされることも少なくありません。

計算方法だけを覚えるのではなく、「その数がどのように作られているか」を理解することが重要です。

約数と倍数の違い

約数とは、ある整数を割り切ることができる整数です。

たとえば、12の約数は、

1、2、3、4、6、12

です。どの数で12を割っても、余りが出ません。

一方、倍数は、ある整数に1、2、3……をかけてできる数です。12の倍数は、

12、24、36、48、……

と続きます。

約数は個数が限られますが、倍数はどこまでも続きます。

子どもが混同している場合は、「12を割り切る数が約数」「12を何倍かしてできる数が倍数」と説明すると整理しやすくなります。

素数と素因数分解の意味

素数とは、1とその数自身の2つだけを約数に持つ整数です。

2、3、5、7、11、13……

などが素数です。1は約数が1つしかないため、素数には含まれません。

素因数分解とは、整数を素数のかけ算に分けることです。たとえば、60は、

60=2×2×3×5

と表せます。

素因数分解は、単なる計算方法ではありません。数の中身を素数という最小の材料まで分解する作業です。

最大公約数、最小公倍数、約数の個数を求める問題では、この素因数分解が重要な道具になります。

余りに注目する問題

整数を割ったとき、割り切れずに残る数が余りです。

たとえば、

17÷5=3余り2

なので、17は「5の倍数より2大きい数」と考えられます。

同じように、5で割ると2余る数は、

2、7、12、17、22、……

と5ずつ増えていきます。

入試では、「3で割ると1余り、5で割ると2余る数」のように、複数の条件を満たす整数を探す問題が出題されます。

余りの問題では、割り算をするだけでなく、条件に合う数を小さい順に書き出し、共通する数を見つける考え方が基本です。

数の性質で頻出する問題の解き方

数の性質では、用語を知っているだけでは問題を解けません。

問題文の状況から、最大公約数・最小公倍数・素因数分解・余りのどれを使うか判断する必要があります。

最大公約数は「同じ大きさに分ける」

最大公約数は、複数の整数を割り切る共通の約数のうち、最も大きい数です。

たとえば、縦24cm、横36cmの長方形の紙を、余りが出ないように同じ大きさの正方形に切るとします。できるだけ大きな正方形の一辺を求める問題です。

24と36の最大公約数は12なので、正方形の一辺は12cmです。

この問題で最大公約数を使う理由は、24cmと36cmの両方を同じ長さで分ける必要があるからです。

「できるだけ大きく分ける」「余りなく同じ大きさにする」という表現があれば、最大公約数を疑いましょう。

最小公倍数は「次にそろう時」を求める

最小公倍数は、複数の整数に共通する倍数のうち、最も小さい数です。

たとえば、4分ごとに出るバスと6分ごとに出るバスが、午前9時に同時に出発したとします。次に同時に出発するのは何分後かを考えます。

4と6の最小公倍数は12なので、12分後です。

最小公倍数は、繰り返す出来事が次にそろう時を求める問題で使います。

「同時に始まり、次に同時になる」「何個ずつ箱に入れても余らない最小の個数」といった表現が目印です。

約数の個数は素因数分解から考える

大きな数の約数をすべて書き出すのは時間がかかります。そこで、素因数分解を利用します。

たとえば、72を素因数分解すると、

72=2×2×2×3×3
 =2³×3²

となります。

72の約数を作るとき、2は0個・1個・2個・3個の4通り、3は0個・1個・2個の3通り使えます。

したがって、約数の個数は、

(3+1)×(2+1)=12個

です。

指数に1を足してかける方法だけを覚えるのではなく、「素因数を何個使うかの選び方を数えている」と理解することが大切です。

余りの問題は条件を式で整理する

「7で割ると3余る数」は、7の倍数より3大きい数です。

したがって、

7×整数+3

という形で表せます。

たとえば、50に最も近い数を探すなら、

7×7+3=52

と求められます。

ただし、小学生にいきなり文字式を覚えさせる必要はありません。

3、10、17、24、31……

と実際に書き出して、「7ずつ増えている」と確認してから、式でまとめると理解しやすくなります。

複数の余り条件がある場合も、それぞれの数列を書き、共通する数を探す方法が確実です。

数の性質が苦手になる原因と対処法

数の性質が苦手な子は、計算力が不足しているとは限りません。

用語の意味が曖昧なまま解法を覚えていたり、問題文と使う考え方が結びついていなかったりすることが多くあります。

用語だけを暗記している

「最大公約数は共通する約数の最大」「最小公倍数は共通する倍数の最小」と暗記しても、何に使うのかが分からなければ問題は解けません。

家庭では、言葉の定義だけでなく、具体的な場面と結びつけましょう。

最大公約数は「同じ大きさに分ける」、最小公倍数は「繰り返しがそろう」と説明すると、問題文から選びやすくなります。

用語を答えさせるより、「なぜ今回は最大公約数を使うの?」と聞く方が理解を確認できます。

問題文から公約数と公倍数を選べない

最大公約数と最小公倍数の計算はできても、文章題になると使い分けられない子は少なくありません。

その場合は、問題を解く前に「分ける問題か、そろう問題か」を確認します。

24個と36個のお菓子を同じ人数に余りなく配るなら、共通して分けられる人数を考えるため公約数です。

4日ごとと6日ごとの予定が次に重なる日を求めるなら、公倍数です。

計算を始める前に、問題の状況を一言で表す習慣をつけましょう。

計算だけで答えを出そうとしている

数の性質では、すぐに割り算を始めるより、小さな数を書き出した方が早い問題もあります。

特に余りの問題や条件を満たす整数を探す問題では、数列を書いた方が規則が見えます。

「計算式を書かなければならない」と考えすぎると、かえって解けなくなることがあります。

まず具体的な数で調べ、規則を見つけた後に計算でまとめる順番が基本です。

家庭でできる数の性質の学習法

家庭学習では、難問を長時間考えるより、基本的な意味を何度も確認することが効果的です。

問題数よりも、「どの考え方を使ったか」を言葉にできることを重視しましょう。

具体的な数で意味を確認する

新しい内容を学ぶときは、12、18、24など、約数を書き出しやすい数を使います。

たとえば、12と18の最大公約数を求めるなら、最初は両方の約数を書きます。

12の約数:1、2、3、4、6、12
18の約数:1、2、3、6、9、18

共通する約数は1、2、3、6で、最大は6です。

この確認をした後で、連除法や素因数分解を使うと、計算方法の意味が分かります。

問題を4つの型に分類する

数の性質の問題は、家庭では次の4つに分けると整理しやすくなります。

・同じ大きさに分ける公約数
・次にそろう時を求める公倍数
・数の構造を調べる素因数分解
・条件に合う整数を探す余り

問題集の余白に「公約数」「公倍数」「素因数」「余り」と書くだけでも構いません。

分類する習慣がつくと、問題を読んだ後に何から始めるか判断しやすくなります。

1日15分で解き直しを続ける

家庭学習は1日15分程度でも十分です。

基本問題を2問、前日に間違えた問題を1問という組み合わせなら、負担を増やしすぎず続けられます。

間違えた問題は、その日のうちに答えを書き写して終わらせず、翌日、1週間後にもう一度解きましょう。

数字を少し変えた類題にも取り組むと、解法を暗記しただけか、考え方を理解したかを確かめられます。

子どもに考え方を説明させる

答えが正しくても、理由を説明できなければ理解が曖昧な可能性があります。

解き終わったら、

「なぜ最大公約数を使ったの?」
「この余りは何を表している?」
「約数の個数で、なぜ1を足すの?」

と聞いてみましょう。

うまく説明できないときは、保護者が長く解説するのではなく、小さな数に戻って一緒に確認します。

子どもが自分の言葉で説明できるようになることが、初めて見る入試問題に対応する力につながります。

まとめ

中学受験算数の数の性質では、約数・倍数・素数・素因数分解・余りの理解が土台になります。

最大公約数は「同じ大きさに分ける」、最小公倍数は「繰り返しが次にそろう」と捉えると、文章題でも使い分けやすくなります。

約数の個数は素因数分解によって数の構造を調べ、余りの問題は条件に合う数を具体的に書き出すところから始めましょう。

家庭では、公式や計算方法を先に覚えさせる必要はありません。小さな数で意味を確認し、問題を公約数・公倍数・素因数・余りの4つに分類することが大切です。

1日15分でも、基本問題と解き直しを続け、考え方を子どもの言葉で説明させれば理解は深まります。数の性質は暗記単元ではなく、整数の仕組みを整理して考える単元です。その仕組みが見えるようになると、複雑な入試問題にも落ち着いて取り組めるようになります。

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