中学受験算数「約数と倍数」の解き方

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中学受験の算数で、最も「家庭では教えにくい」と言われるのが立体図形です。

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中学受験算数で約数と倍数の解き方に迷う理由

中学受験ママ
中学受験ママ

約数と倍数の違いを何度説明しても、うちの子が文章題になると迷ってしまい、私も教え方に自信がありません

この記事では、中学受験算数の約数と倍数の解き方について、基本の考え方から文章題での使い分け、家庭での練習法まで順を追って解説します。

約数と倍数は、中学受験算数の「数の性質」で必ず押さえたい基本です。小学生にとっては、約数も倍数も数字の並びに見えるため、最初は混乱しやすい単元です。

しかし、約数と倍数は意味を理解すれば整理できます。約数は「割り切れる数」、倍数は「ある数を何倍かした数」です。この違いが分かると、最大公約数や最小公倍数の使い分けも見えやすくなります。

約数と倍数でつまずく子は、計算ができないというより、何を求めている問題なのかを判断できていないことが多くあります。

約数と倍数の意味があいまいになっている

約数は、ある数を割り切れる数です。例えば12の約数は、1、2、3、4、6、12です。どれも12を割り切ることができます。

一方、倍数は、ある数に整数をかけてできる数です。例えば4の倍数は、4、8、12、16、20……と続きます。

ここで大切なのは、約数はある数の中におさまる数で、倍数はその数から広がっていく数だという感覚です。

約数は有限です。12の約数は決まった個数しかありません。倍数は続いていきます。4の倍数は、いくらでも先に進みます。

この違いを理解しないまま問題を解くと、「割るのか、かけるのか」があいまいになり、文章題で手が止まりやすくなります。

最大公約数と最小公倍数を使い分けられない

約数と倍数が分かっても、文章題で最大公約数と最小公倍数を使い分けられない子は少なくありません。

例えば、24cmと36cmのリボンを余りなく同じ長さに切る問題では、24と36をどちらも割り切れる長さを探します。使うのは最大公約数です。

一方、4分ごとに鳴るベルと6分ごとに鳴るベルが次に同時に鳴る時刻を求める問題では、4と6の共通する倍数を探します。使うのは最小公倍数です。

同じように2つの数字が出ていても、「分ける」のか「そろう」のかで考え方が変わります。

数字だけを見て判断するのではなく、問題文の場面を読むことが重要です。

文章題になると条件を整理できない

約数と倍数の基本計算はできても、文章題になると解けない場合があります。

例えば、「1から100までの整数のうち、6の倍数はいくつありますか」という問題なら、100÷6=16余り4なので、答えは16個です。

ところが、「1から100までの整数のうち、6の倍数で、4の倍数ではない数はいくつありますか」となると、条件が増えます。

この場合、まず6の倍数を16個と数えます。次に、6の倍数であり4の倍数でもある数を除きます。6と4の最小公倍数は12なので、12の倍数を数えます。100÷12=8余り4より8個です。

したがって、16-8=8個です。

このように、文章題では条件を一つずつ整理する力が必要になります。

約数と倍数の基本的な解き方

約数と倍数を得意にするには、まず基本の解き方を安定させることが大切です。公式だけで進める前に、手で書き出して意味を確認しましょう。

約数は掛け算のペアで漏れなく探す

約数を求めるときは、掛け算のペアで考えると漏れを防げます。

例えば36の約数を求めます。

1×36
2×18
3×12
4×9
6×6

したがって、36の約数は、

1、2、3、4、6、9、12、18、36

です。

6×6のように同じ数が出た場合は、2回数えません。

家庭で教えるときは、「36の約数を言って」と聞くより、「何と何をかけると36になる?」と聞く方が分かりやすくなります。

約数は暗記ではなく、掛け算の関係で見つけるものです。ペアで調べる習慣がつくと、約数の書き漏らしが減ります。

倍数は一定の間隔で増える数として考える

倍数は、ある数に整数をかけてできる数です。

6の倍数なら、

6、12、18、24、30、36……

と6ずつ増えていきます。

倍数を考えるときは、「同じ間隔で増える数」と見ると分かりやすくなります。

例えば、30までの6の倍数を求めるなら、6、12、18、24、30です。100までの6の倍数の個数を求めるなら、

100÷6=16余り4

より16個です。

ここで注意したいのは、範囲の端です。「100以下」なら100を含みますが、「100未満」なら100は含みません。倍数の個数を数える問題では、以上・以下・未満・より大きいといった言葉を確認しましょう。

共通する数を見つけて公約数・公倍数につなげる

2つ以上の数に共通する約数を公約数、共通する倍数を公倍数といいます。

例えば、12と18の約数を考えます。

12の約数は、1、2、3、4、6、12です。
18の約数は、1、2、3、6、9、18です。

共通する約数は、1、2、3、6です。この中で一番大きい6が最大公約数です。

一方、4と6の倍数を考えます。

4の倍数は、4、8、12、16、20、24……
6の倍数は、6、12、18、24、30……

共通する倍数は、12、24……です。この中で一番小さい12が最小公倍数です。

公約数は「共通して割り切れる数」、公倍数は「共通して出てくる数」と考えると、文章題でも使いやすくなります。

文章題で使える約数と倍数の解き方

中学受験算数では、約数と倍数がそのまま計算問題として出るだけでなく、文章題の中で使われます。問題文の言葉から、何を使うか判断することが大切です。

「同じ大きさに分ける」は最大公約数を使う

最大公約数は、「同じ大きさに分ける」「余りなく切る」「できるだけ大きくそろえる」といった場面で使います。

例えば、24cmと36cmのリボンを同じ長さに切り分けます。どちらも余りなく切れるようにし、1本の長さをできるだけ長くするには何cmにすればよいでしょうか。

24と36をどちらも割り切れる長さを考えます。

24の約数は、1、2、3、4、6、8、12、24です。
36の約数は、1、2、3、4、6、9、12、18、36です。

共通する約数の中で一番大きいのは12です。したがって、答えは12cmです。

「同じ長さ」「余りなく」「できるだけ長く」という言葉が出たら、最大公約数を疑いましょう。

「同じタイミングでそろう」は最小公倍数を使う

最小公倍数は、「再び同時になる」「同じタイミングでそろう」「周期が重なる」といった場面で使います。

例えば、4分ごとに鳴るベルと6分ごとに鳴るベルがあります。今同時に鳴ったとき、次に同時に鳴るのは何分後でしょうか。

4の倍数は、4、8、12、16、20、24……
6の倍数は、6、12、18、24……

最初に共通するのは12です。したがって、12分後に同時に鳴ります。

「次に同時」「再びそろう」「周期が重なる」という言葉が出たら、最小公倍数を使う可能性が高いです。

範囲の中に何個あるかを割り算で数える

倍数の文章題では、「何個ありますか」と聞かれることもよくあります。

例えば、1から100までの整数のうち、8の倍数はいくつあるでしょうか。

100÷8=12余り4

なので、8、16、24……96までの12個です。

さらに、「1から100までの整数のうち、8の倍数で、12の倍数でもある数はいくつあるか」と聞かれた場合は、8と12の最小公倍数を考えます。

8と12の最小公倍数は24です。

100÷24=4余り4

なので、24、48、72、96の4個です。

個数を求める問題では、まず「何の倍数を数えるのか」を整理し、最後に範囲の端を確認しましょう。

家庭で約数と倍数を定着させる練習法

約数と倍数は、家庭学習でかなり定着させやすい単元です。ただし、長時間まとめて解くよりも、短時間で同じ型を繰り返す方が効果的です。

1日15分で同じ型を2~3問解く

家庭学習では、1日15分を目安にしましょう。

月曜日は約数、火曜日は倍数、水曜日は最大公約数、木曜日は最小公倍数というように、テーマを分けます。

1問目は手順を確認しながら解きます。2問目は自力で解きます。3問目では、なぜその方法を使ったのかを説明します。

約数と倍数を1問ずつ混ぜるより、同じ型を続ける方が、考える手順が残りやすくなります。

基本問題を10問解いて7~8問以上正解できるようになったら、文章題や条件が2つある問題へ進む目安です。

間違いを知識・判断・作業に分ける

間違えた問題は、原因を3つに分けます。

1つ目は、知識のミスです。約数や倍数の意味を忘れていた場合です。

2つ目は、判断のミスです。最大公約数と最小公倍数のどちらを使うか分からなかった場合です。

3つ目は、作業のミスです。約数を書き漏らした、倍数の個数を数え間違えた、範囲の端を確認しなかった場合です。

原因が分かれば、復習方法も決まります。

知識のミスなら、約数と倍数の意味に戻ります。判断のミスなら、問題文の言葉と使う考え方を結びつけます。作業のミスなら、掛け算のペアで書く、条件に線を引くといった対策をします。

親は答えより使った理由を聞く

家庭で教えるときは、保護者が正しい解法をすぐに説明しすぎないことも大切です。

子どもが答えを出したら、次のように聞いてみてください。

「なぜ約数を使ったの?」
「これは分ける問題かな、そろう問題かな」
「最大公約数と最小公倍数のどちらを使うと思った?」
「ほかに候補はないと言えるかな」

このような声かけにより、子どもは問題文に戻って考えるようになります。

答えが合っているかだけでなく、使った理由を説明できるかを確認することで、テストでも再現しやすい理解になります。

まとめ|約数と倍数は意味から考えると解きやすい

中学受験算数の約数と倍数は、数の性質の中でも特に重要な基本です。

約数は、ある数を割り切れる数です。倍数は、ある数に整数をかけてできる数です。まずはこの意味の違いを、具体的な数で確認しましょう。

約数を求めるときは、掛け算のペアで漏れなく調べます。倍数は、一定の間隔で増える数として考えます。共通する約数が公約数、共通する倍数が公倍数です。

文章題では、「同じ大きさに分ける」「余りなく切る」なら最大公約数、「再び同時になる」「周期がそろう」なら最小公倍数を使います。個数を求める問題では、範囲の端を含むかどうかも確認しましょう。

家庭学習では、1日15分、同じ型を2~3問解くだけでも効果があります。間違いは、知識・判断・作業に分けて復習します。

保護者は、答えを先に教えるのではなく、「なぜその方法を使ったのかな」「分ける問題かな、そろう問題かな」と問いかけてください。

約数と倍数は、公式を暗記するだけでは伸びにくい単元です。意味を具体例で理解し、文章題の言葉と結びつけることで、入試につながる確かな解き方が身につきます。

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