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中学受験算数で食塩水の応用が難しく感じる理由

食塩水の基本は分かるのに応用になると娘が止まってしまい、私もどう教えればよいのか不安です
この記事では、そんな悩みに対して、中学受験算数の食塩水応用でつまずく理由と、家庭でできる具体的な考え方・練習法を順を追って解説します。
基本公式だけでは条件変化を追いきれない
中学受験算数の食塩水では、「食塩の重さ=食塩水の重さ×濃度」という基本公式を使います。基本問題では、この式に数字を入れれば解けることが多いです。
しかし、応用問題になると、水を加える、蒸発させる、食塩を加える、一部を捨てる、別の食塩水と混ぜるなど、条件が何段階にも変化します。すると、公式を知っているだけでは「どの数字を使えばよいのか」が分からなくなります。
たとえば、8%の食塩水200gに水を加えて5%にする問題では、最初に食塩の重さ16gを求めます。水を加えても食塩16gは変わらないため、16gが全体の5%になるように考えます。このように、応用では公式そのものよりも、変化の前後を整理する力が問われます。
食塩・水・食塩水の変化が混ざりやすい
食塩水の応用でよくあるつまずきは、食塩、水、食塩水全体のどれが変わったのかを見失うことです。
水を加えると、増えるのは水と食塩水全体です。食塩の重さは変わりません。蒸発させると、水と食塩水全体は減りますが、食塩は残ります。食塩を加えると、食塩の重さも食塩水全体の重さも増えます。
この区別があいまいだと、子どもは式を立てる前に混乱します。特に「食塩水を100g捨てる」といった問題では、捨てる中にも食塩と水が同じ濃度で含まれているため、さらに分かりにくくなります。
応用問題では、数字を急いで計算するより、まず「何が増えたか」「何が減ったか」「何が変わらないか」を確認することが大切です。
面積図やてんびん図を形だけで使っている
食塩水の応用では、面積図やてんびん図を使うことがあります。どちらも便利な道具ですが、意味を理解しないまま形だけ覚えると、かえって混乱することがあります。
面積図は、食塩水の重さと濃度の関係から、食塩の重さを見える形にする図です。てんびん図は、2種類の食塩水を混ぜるとき、濃度の差と量の比を考えるための図です。
しかし、図を書いても「何を表しているのか」が分からなければ、少し数字が変わるだけで使えなくなります。食塩水が苦手な子は、最初から図に頼るより、表で食塩の重さを確認してから図へ進むほうが理解しやすいです。
応用で大切なのは、図の形ではなく、食塩の量をどう追うかです。
食塩水の応用に入る前に確認したい基本
食塩水=食塩+水を表で整理する
食塩水の応用に入る前に、まず「食塩水=食塩+水」という基本を確認しましょう。食塩水とは、食塩と水が合わさった全体です。
たとえば、10%の食塩水300gがあるとします。食塩の重さは300×0.10=30gです。水は300-30=270gです。つまり、食塩30gと水270gを合わせたものが、10%の食塩水300gです。
応用問題では、この関係を表にして整理すると分かりやすくなります。表の列は「食塩水の重さ」「濃度」「食塩の重さ」「水の重さ」にします。水を加える問題なら前後2行、混ぜる問題なら食塩水A・食塩水B・混ぜた後の3行を作ります。
表にすることで、何が分かっていて、何を求めるのかが見えるようになります。
濃度は「全体に対する食塩の割合」
濃度は、食塩水全体に対して、食塩がどれくらい入っているかを表す割合です。式で表すと、濃度=食塩の重さ÷食塩水の重さです。
たとえば、食塩20gが食塩水200gに入っているなら、20÷200=0.1なので濃度は10%です。食塩20gが食塩水400gに入っているなら、20÷400=0.05なので濃度は5%になります。
同じ食塩20gでも、全体が多ければ薄くなり、全体が少なければ濃くなります。この感覚は、応用問題で非常に重要です。水を加えると全体が増えるので薄くなり、蒸発させると全体が減るので濃くなります。
濃度をただの数字として見るのではなく、全体と食塩の関係として理解することが、応用への第一歩です。
応用問題ほど「変わらないもの」に注目する
食塩水の応用問題では、「変わったもの」よりも「変わらないもの」に注目すると解きやすくなります。
水を加える問題では、食塩の重さが変わりません。蒸発させる問題でも、食塩の重さは変わりません。一部を捨てた後に水を加える問題では、捨てた時点で食塩も水も減りますが、その後に水だけを加えるなら、残った食塩の重さは変わりません。
応用問題で手が止まる子は、すぐに式を作ろうとして混乱することがあります。まずはノートに「変わらないもの:食塩」などと書きましょう。たった一言でも、問題の見通しがよくなります。
中学受験算数では、応用問題ほど基本の見方が大切です。食塩水では、食塩の重さを追うことが最も安定した解き方になります。
中学受験算数でよく出る食塩水の応用パターン
水を加える・蒸発させる応用問題
水を加える問題と蒸発させる問題は、食塩水応用の基本です。どちらも、食塩の重さが変わらないことを利用します。
たとえば、12%の食塩水200gに水を加えて8%にする問題を考えます。最初の食塩は200×0.12=24gです。水を加えても食塩24gは変わりません。8%の食塩水で食塩が24gになるには、全体は24÷0.08=300gです。最初は200gなので、加える水は100gです。
蒸発させる問題では反対に、全体量が減ります。たとえば、6%の食塩水500gを蒸発させて10%にするなら、最初の食塩は30gです。30gが10%になる全体量は30÷0.10=300gなので、蒸発した水は500-300=200gです。
このタイプは、食塩を固定して考えることが最大のポイントです。
2種類の食塩水を混ぜる問題
2種類の食塩水を混ぜる問題では、濃度どうしをそのまま足してはいけません。必ず食塩の重さに戻して考えます。
たとえば、4%の食塩水200gと、10%の食塩水300gを混ぜるとします。4%の食塩水200gに含まれる食塩は8gです。10%の食塩水300gに含まれる食塩は30gです。合計の食塩は38g、食塩水全体は500gです。濃度は38÷500=0.076、つまり7.6%です。
応用では、片方の食塩水の量が分からない場合もあります。その場合でも考え方は同じです。分からない量を□gとして、食塩の重さを表し、全体の濃度に合わせて式を作ります。
混ぜる問題は難しく見えますが、食塩の重さに戻すという原則を守れば整理しやすくなります。
一部を捨ててから加える問題
応用で特に差がつくのが、一部を捨ててから水や食塩水を加える問題です。このタイプでは、操作を一つずつ分けて考えることが大切です。
たとえば、10%の食塩水300gから100gを捨てるとします。捨てる100gも10%の食塩水なので、その中には食塩が10g、水が90g含まれています。残るのは200gの10%食塩水で、食塩は20g、水は180gです。
その後に水を加えるなら、食塩20gは変わらず、全体だけが増えます。別の食塩水を加えるなら、加える食塩水に含まれる食塩を求めて、残った食塩と合わせます。
このタイプを頭の中だけで処理しようとすると混乱します。表を使い、「捨てる前」「捨てた後」「加えた後」と段階を分けることが大切です。
てんびん図を使う混合問題
2種類の食塩水を混ぜて、ある濃度の食塩水を作る問題では、てんびん図が役立つことがあります。
たとえば、5%の食塩水と15%の食塩水を混ぜて9%の食塩水を作るとします。9%は5%より4高く、15%より6低い位置にあります。てんびん図では、この差の逆比を使い、5%と15%を混ぜる量の比は6:4、つまり3:2と考えます。
ただし、てんびん図は便利ですが、意味を理解して使うことが大切です。なぜ逆比になるのかを深く説明しすぎる必要はありませんが、「濃度が近いほうを多く混ぜる」という感覚は確認しておきましょう。
基本が不安な子は、まず食塩の重さを求める表の方法で解き、慣れてきたらてんびん図を使うと無理がありません。
家庭でできる食塩水応用の練習法
まず表で変化を見える化する
食塩水の応用を家庭で練習するときは、まず表で変化を見える化しましょう。応用問題では、条件が一度で終わらないことが多いため、頭の中だけで処理すると混乱しやすくなります。
表の列は、「食塩水の重さ」「濃度」「食塩の重さ」「水の重さ」にします。行は、操作ごとに分けます。水を加える前と後、蒸発前と後、捨てる前と後、混ぜる前と後というように、段階を分けて書きます。
表を使うと、食塩の重さが変わらない場面では同じ数字を次の行に写せます。混ぜる場面では、それぞれの食塩を足すことが見えます。
応用問題は、計算よりも整理が勝負です。まず表を書く習慣をつけましょう。
基本問題と応用問題を往復する
食塩水の応用が苦手な子に、応用問題だけを続けて解かせるのはおすすめできません。基本問題と応用問題を往復するほうが効果的です。
たとえば、水を加える応用問題で間違えたら、次に「食塩の重さを求める基本問題」を1〜2問解き直します。混ぜる問題で間違えたら、2種類の食塩水それぞれの食塩を求める基本に戻ります。
このように戻る場所をはっきりさせると、子どもは「全部分からない」のではなく、「食塩の重さを出すところが弱い」「変わらないものを見ていなかった」と気づけます。
1日10分でも、基本2問、応用1問の組み合わせなら続けやすいです。2週間続ければ約140分の練習になり、応用への抵抗感も少しずつ下がっていきます。
親は「どの量を追っているか」を聞く
家庭で応用問題を教えるとき、保護者がすべての式を説明しようとすると負担が大きくなります。そこでおすすめなのが、「今どの量を追っているの?」と聞くことです。
食塩水では、多くの場合、食塩の重さを追うと問題が整理されます。水を加えても食塩は変わらない。蒸発しても食塩は残る。混ぜると食塩は合計される。この流れを子どもが言葉にできると、応用問題にも対応しやすくなります。
子どもが間違えたときは、「違うよ」とすぐに言うより、「その操作で食塩は増えたかな?」「水だけ増えたのかな?」「全体は何gになったのかな?」と問い返してみましょう。
ある小6のご家庭では、食塩水の応用問題のたびに「食塩は今何g?」と確認しました。最初は表を見ながら答えていましたが、数週間後には自分から食塩の量を先に求めるようになりました。応用問題では、この視点が大きな力になります。
まとめ
中学受験算数の食塩水応用で大切なのは、難しい公式をたくさん覚えることではありません。食塩水=食塩+水、濃度=全体に対する食塩の割合という基本を使って、何が変わり、何が変わらないかを整理することです。
応用問題では、水を加える、蒸発させる、2種類の食塩水を混ぜる、一部を捨ててから操作する、てんびん図を使うといったパターンがよく出ます。どの問題でも、まず食塩の重さを求め、操作ごとに変化を追うことが解き方の中心になります。
家庭学習では、表を使って変化を見える化しましょう。食塩水の重さ、濃度、食塩の重さ、水の重さを分けて書くことで、複雑な文章題でも落ち着いて考えられます。応用だけを解き続けるのではなく、基本問題と応用問題を往復することも効果的です。
親がサポートするときは、「どの量を追っているの?」「食塩は変わった?」「全体はどう変わった?」と聞いてあげましょう。食塩水の応用は、整理の型を身につければ、苦手単元から得点源へ変えていけます。
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