中学受験算数「比の利用」を基礎からやさしく解説

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中学受験の算数で、最も「家庭では教えにくい」と言われるのが立体図形です。

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中学受験算数の「比の利用」とは何か

中学受験ママ
中学受験ママ

比の式は書けるのに、うちの子が文章題になると何をすればよいのか分からず、私も説明に困ります

この記事では、中学受験算数の「比の利用」とは何かを基礎から整理し、頻出問題の解き方と家庭で定着させる教え方を順番に解説します。

中学受験算数における比の利用とは、2つ以上の量の関係を比で整理し、実際の人数や長さ、金額などを求める考え方です。

例えば、赤い玉と白い玉の個数の比が3:2だったとします。

これは、赤い玉が必ず3個、白い玉が必ず2個という意味ではありません。赤と白を同じ大きさのまとまりで比べたとき、赤が3つ分、白が2つ分であることを表しています。

赤が12個なら、比の3にあたる量が12個です。比の1つ分は、

12÷3=4個

となります。

したがって、白い玉は、

4×2=8個

です。

比の利用では、この「比の1つ分」を見つけることが基本になります。

比は2つ以上の量の関係を表す

比は、量そのものではなく、量どうしの関係を表します。

兄と弟が持っているお金の比が5:3でも、兄が5円、弟が3円とは限りません。

兄が500円なら弟は300円、兄が1,000円なら弟は600円です。実際の金額は変わっても、兄と弟の関係は5:3のままです。

算数が苦手な子は、比の数字を実際の数量だと思い込むことがあります。

家庭では、「5:3は金額ではなく、同じ大きさのまとまりが5つ分と3つ分という意味」と確認しましょう。

比の1つ分を求めることが基本

比の利用で最も重要なのは、比の1つ分が実際にいくつにあたるかを求めることです。

例えば、AとBの長さの比が4:7で、Aが20cmの場合を考えます。

比の4にあたる長さが20cmなので、1つ分は、

20÷4=5cm

です。

Bは7つ分なので、

5×7=35cm

となります。

このように、

分かっている実際の量÷対応する比=比の1つ分

という順番で考えます。

公式として暗記させるより、「20cmの中に同じ大きさが4つあるなら、1つはいくつ?」と問いかけるほうが理解しやすいでしょう。

比を実際の数量に直すまでが「比の利用」

比を簡単にするだけでは、比の利用の問題を解いたことにはなりません。

例えば、24:36を2:3に簡単にするのは、比の計算です。

一方、「2:3に分けた合計が40個なら、それぞれ何個か」を求めるのが比の利用です。

比の合計は、

2+3=5

です。

40個が5つ分にあたるので、1つ分は、

40÷5=8個

となります。

それぞれの個数は、

8×2=16個
8×3=24個

です。

比を使って実際の数量まで求める流れを、ひとまとまりとして身につける必要があります。

比の利用の基本的な解き方を例題で解説

比の利用では、問題に示されている量が「全体」「差」「一方の量」のどれなのかを見分けることが大切です。

何が分かっているかによって、比のどの部分を使うかが変わります。

全体量と比が分かる問題

例題として、兄と弟の持っているお金の比が3:2で、合計が2,000円の場合を考えます。

比の合計は、

3+2=5

です。

2,000円が5つ分にあたるため、1つ分は、

2,000÷5=400円

となります。

兄は3つ分なので、

400×3=1,200円

弟は2つ分なので、

400×2=800円

です。

全体量が分かる問題では、最初に比を足します。

「全体の量÷比の合計」で1つ分を求めるのが基本です。

2つの量の差と比が分かる問題

次に、兄と弟の年齢の比が5:3で、年齢の差が8歳の場合を考えます。

比の差は、

5-3=2

です。

実際の年齢差8歳が比の2つ分にあたるので、1つ分は、

8÷2=4歳

となります。

兄は、

4×5=20歳

弟は、

4×3=12歳

です。

差が示されている問題では、比を足すのではなく引きます。

ここで比の合計を使ってしまう子が多いため、「8歳は2人の合計ではなく差だよね」と確認すると間違いを防げます。

一方の量と比が分かる問題

AとBの人数の比が4:7で、Aが24人の場合を考えます。

Aの24人が比の4にあたるため、1つ分は、

24÷4=6人

です。

Bは、

6×7=42人

となります。

一方の量が示されている問題では、その量に対応する比で割ります。

24÷7のように、求めたい側の比で割ってはいけません。

線分図にAを4つ、Bを7つの同じ大きさで表し、24人がどの部分に対応するかを確認すると理解しやすくなります。

比をそろえて3つの量を比べる問題

中学入試では、A:BとB:Cのように、2組の比から3つの量を比べる問題も出ます。

例えば、

A:B=2:3
B:C=4:5

とします。

Bの数字が3と4で異なるため、このままではA:B:Cを作れません。

3と4の最小公倍数である12にそろえます。

A:B=8:12
B:C=12:15

したがって、

A:B:C=8:12:15

です。

3つ以上の量を扱う問題では、共通する量の比をそろえることがポイントです。

中学受験で頻出の比の利用パターン

比の利用は、単独の計算問題だけでなく、さまざまな単元に組み込まれて出題されます。

比の基本を理解していると、複雑に見える文章題も整理しやすくなります。

人数・個数・金額を分ける問題

最も基本的なのは、全体を決められた比に分ける問題です。

例えば、84個のお菓子を兄と弟で4:3に分ける場合、比の合計は7です。

1つ分は、

84÷7=12個

です。

兄は48個、弟は36個となります。

人数、個数、金額など、単位が変わっても解き方は同じです。

文章の内容に惑わされず、「全体が何つ分にあたるか」を確認しましょう。

割合や分数を比に直す問題

割合や分数を比に直す問題も頻出です。

例えば、男子が全体の5分の3なら、女子は全体の5分の2です。

したがって、

男子:女子=3:2

となります。

また、AがBの60%なら、

A:B=0.6:1=3:5

です。

割合を比に直せると、人数や金額の配分を求めやすくなります。

「AはBの何%か」と「AとBの比」は表現が違うだけで、同じ数量関係を示しています。

速さ・図形・食塩水に比を使う問題

比は、速さや図形、食塩水などにも使われます。

同じ時間を進む場合、道のりの比は速さの比と同じです。

速さが3:5なら、同じ時間に進む道のりも3:5になります。

図形では、高さが同じ三角形の面積比は底辺の比と等しくなります。底辺の比が2:7なら、面積比も2:7です。

食塩水では、同じ濃度なら食塩水の重さの比と食塩の重さの比が等しくなります。

このように、どの条件が同じなのかに注目すると、比を使える場面が見えてきます。

途中で比が変化する問題

入試で差がつきやすいのが、数量の増減によって比が変わる問題です。

例えば、兄と弟の所持金の比が5:3で、兄が弟に200円渡すと比が3:2になる問題です。

このような問題では、最初の比と変化後の比を同じ図に整理します。

お金を渡しても、2人の合計金額は変わりません。

そこで、最初の比の合計8と、変化後の比の合計5をそろえます。

最初を25:15、変化後を24:16とすると、兄は25から24へ1つ分減り、弟は15から16へ1つ分増えています。

この1つ分が200円なので、最初の所持金は、

兄:200×25=5,000円
弟:200×15=3,000円

です。

変化する量と変わらない量を見分けることが、応用問題の鍵になります。

家庭学習で比の利用を定着させる教え方

比の利用が苦手な子に、公式を増やして覚えさせると混乱しやすくなります。

家庭では、「比の1つ分」を中心に、図と言葉を使って理解を確かめましょう。

最初に「比の1つ分」を書かせる

問題を解くときは、いきなり答えを求めず、途中に「1つ分」を必ず書かせます。

例えば、合計60個を2:3に分けるなら、

比の合計:2+3=5
1つ分:60÷5=12個

と書きます。

その後で、

12×2=24個
12×3=36個

と求めます。

この1行を省くと、どの数字をかければよいか分からなくなりやすいため、慣れるまでは必ず残しましょう。

線分図で全体・差・一方の量を見える化する

文章だけで判断できない場合は、線分図を使います。

A:B=3:2なら、Aを同じ大きさの3区画、Bを2区画で表します。

合計が示されているなら、5区画全体に数字を書きます。

差が示されているなら、AとBの余った1区画に数字を書きます。

一方の量が示されているなら、その量の線全体に数字を書きます。

数字が比のどの部分に対応するかを見える化すれば、足すのか引くのかを判断しやすくなります。

式を覚えるより求めた数字の意味を説明させる

子どもが計算した後は、「この12は何?」と聞いてみましょう。

「比の1つ分」「1つのまとまりが12個」と説明できれば、考え方を理解しています。

反対に、正解していても「分からないけれど割った」と答える場合は、数字を機械的に操作している可能性があります。

答えだけでなく、途中の数字の意味を説明させることで、条件の異なる問題にも対応できる力が育ちます。

間違いを4種類に分けて復習する

比の利用の間違いは、主に次の4種類に分けられます。

1.比を簡単にする計算の間違い
2.全体・差・一方の量の見分け間違い
3.比の1つ分を求める式の間違い
4.最後に対応する比をかける間違い

例えば、差の問題で比を足したなら、文章の読み取りに原因があります。

1つ分は正しいのに最後の答えを間違えたなら、求める量に対応する比を取り違えています。

すべてを最初からやり直すのではなく、間違えた段階だけを練習すると、効率よく定着させられます。

まとめ|比の利用は「1つ分」に戻せば解きやすい

中学受験算数の比の利用とは、2つ以上の数量関係を比で整理し、実際の人数、長さ、金額などを求める考え方です。

比の数字は実際の数量ではなく、同じ大きさのまとまりがいくつあるかを表しています。

問題を解くときは、まず与えられた量が全体、差、一方の量のどれなのかを見分けましょう。

全体が示されているなら比を足し、差が示されているなら比を引きます。一方の量が示されているなら、その量に対応する比を使います。

そして、

実際の量÷対応する比=比の1つ分

を求め、最後に必要な比をかけます。

家庭学習では、答えを急がせず、「1つ分はいくつか」を必ず書かせてください。

文章だけで分かりにくい場合は線分図を使い、数字が比のどの部分に対応しているかを確認します。

比の利用は、人数や金額を分ける問題だけでなく、割合、速さ、図形、食塩水など多くの単元につながります。

公式を単元ごとに暗記するのではなく、「同じ大きさの1つ分に戻す」という考え方を身につけることが、応用問題まで安定して解くための土台になります。

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