中学受験算数|面積図の応用問題を解くコツ

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中学受験の算数で、最も「家庭では教えにくい」と言われるのが立体図形です。

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中学受験算数の面積図で応用問題が解けない理由

中学受験ママ
中学受験ママ

基本の面積図は書けるのに、応用問題になると娘が急に手を止めるので私も焦っています

この記事では、中学受験算数の面積図を応用問題で使いこなすために、どこに注目し、家庭でどのような順番で練習すればよいのかを具体的に解説します。

基本問題の図をそのまま当てはめている

面積図の基本問題では、縦と横の2つの量が与えられ、その積となる面積を求めます。

たとえば平均算なら、

人数×平均点=合計点

です。

食塩水なら、

食塩水の重さ×濃度=食塩の重さ

となります。

基本問題では、1つの長方形を書けば答えに近づけます。しかし、応用問題では人数が途中で増えたり、食塩水の一部を取り出したり、仕事をする人が変わったりします。

そのため、基本問題で使った長方形を一つ書くだけでは、条件を表し切れません。

応用問題で必要なのは、決まった図を当てはめることではなく、問題の変化に合わせて長方形を分けたり、組み合わせたりする力です。

変わる量と変わらない量を区別できていない

面積図の応用問題では、「何が変わり、何が変わらないか」を見抜くことが重要です。

たとえば、10%の食塩水400gに水を100g加える問題なら、食塩水全体の重さは500gへ増えます。

一方、食塩の重さは変わりません。

最初の食塩量は、

400×0.10=40g

です。

水を加えた後も食塩量は40gなので、

40÷500=0.08

となり、濃度は8%です。

ところが、食塩を加える問題では、全体量だけでなく食塩量も変化します。

応用問題で止まる子は、「面積はいつも変わらない」と覚えてしまっていることがあります。

何を加え、何を取り出したのかによって、縦・横・面積のどれが変わるかは異なります。条件ごとに確認することが必要です。

複数の長方形を一度に書こうとしている

応用問題では、長方形が2つ、3つと必要になることがあります。

子どもが問題文を最後まで読み、一度に完成図を書こうとすると、どの長方形が何を表すのか分からなくなりがちです。

たとえば、男子と女子の平均点に転入生が加わる問題なら、

最初の男子
最初の女子
転入生
変化後の全体

という複数の量が登場します。

これらを一度に書くのではなく、問題文を一文読むたびに長方形を一つ追加します。

最初の状態を書き、次に増えた部分を書き、最後に全体をまとめるという順番です。

面積図の応用では、完成図を頭の中で作ってから描くのではなく、条件を少しずつ図へ移すことが大切です。

面積図から式を作る説明が不足している

面積図を正しく書けても、式を立てられない子は少なくありません。

この場合、図の面積や差が何を表しているかを十分に説明できていない可能性があります。

たとえば、平均点が上がった問題では、長方形の高さが増えます。その増えた部分の面積は、合計点がどれだけ増えたかを表します。

平均点が3点上がり、人数が20人なら、増えた合計点は、

20×3=60点

です。

この60点が、新しく加わった得点や変更された得点と結びつきます。

図を書いた後に、「増えた長方形は何を表している?」「この差はどの計算で求められる?」と確認することで、式へつなげやすくなります。

面積図の応用問題を解く4つの手順

掛け算でつながる3つの量を確認する

応用問題でも、最初に確認することは基本問題と同じです。

問題に登場する3つの量を見つけ、

何×何=何

という関係を確認します。

平均算なら、

人数×平均=合計

食塩水なら、

全体量×濃度=食塩量

仕事算なら、

時間×仕事率=仕事量

です。

条件が多い問題ほど、この基本関係へ戻ることが重要です。

たとえば平均点が変わる問題でも、変化前と変化後のそれぞれで「人数×平均=合計」が成り立ちます。

応用問題とは、基本関係が変わる問題ではありません。基本関係を複数回使う問題だと考えると整理しやすくなります。

変化の前後を別の長方形で表す

数量が途中で変化する問題では、変化前と変化後を分けて描きます。

たとえば、20人の平均点が70点だったクラスに1人加わり、平均点が71点になった問題です。

変化前の合計点は、

20×70=1,400点

です。

変化後は21人で平均71点なので、

21×71=1,491点

となります。

新しく加わった1人の得点は、

1,491-1,400=91点

です。

面積図では、最初の長方形と、1人加わった後の長方形を別に描きます。

2つの面積の差が、新しく増えた合計点に当たります。

前後を一つの図へ無理に重ねるより、別々に描いて面積を比較する方が分かりやすくなります。

同じ面積・増えた面積・減った面積を探す

面積図の応用問題では、長方形同士の関係を見ます。

注目するのは、主に次の3つです。

変わらない面積
増えた面積
減った面積

水を加える食塩水なら、食塩量を表す面積は変わりません。

食塩を加えるなら、食塩量の面積が増えます。

食塩水の一部を取り出すなら、全体量も食塩量も同じ割合で減ります。

平均算で人数が増えるなら、合計点を表す面積が増えます。

面積図を書いたら、いきなり式を作るのではなく、「どの面積が同じ?」「どこが増えた?」と確認しましょう。

この比較ができると、足すのか、引くのか、割るのかを判断しやすくなります。

求める量から逆向きに式を組み立てる

応用問題では、何を求めるかを先に確認することも重要です。

求めたいのが濃度なら、面積である食塩量を全体量で割ります。

求めたいのが人数なら、合計点を平均点で割ります。

求めたいのが仕事率なら、仕事量を時間で割ります。

たとえば、食塩量が48g、食塩水全体が500gなら、

48÷500=0.096

となり、濃度は9.6%です。

面積図のどの部分が「?」になっているかを見ると、使う計算が決まります。

面積を求めるなら掛け算、縦または横を求めるなら割り算です。

応用問題では、問題文の数字を順に計算するのではなく、求めたい場所から逆に必要な量を考えましょう。

単元別に見る面積図の応用パターン

平均算は合計点の増減から人数を求める

平均算の応用では、人数や平均点が変わった後の条件から、元の人数を求める問題がよくあります。

たとえば、あるクラスの平均点は70点でした。そこへ90点の生徒が1人加わると、平均点が71点になったとします。

元の人数を□人とすると、元の合計点は、

70×□

です。

1人加わった後は、人数が□+1人、合計点が70×□+90点になります。

面積図では、最初の長方形に90点の細い長方形が追加され、全体の高さが71点になる様子を表します。

平均が70点から71点へ1点上がったため、元の生徒全員について1点分ずつ不足していました。

90点の生徒は、新しい平均71点より19点高いため、この19点が元の人数分の1点を補います。

したがって、元の人数は19人です。

応用平均算では、合計点をすべて計算する方法だけでなく、平均との差を面積として見る方法も有効です。

食塩水は食塩量が変わる場合も整理する

食塩水の応用では、水だけでなく、食塩や別の食塩水を加えることがあります。

たとえば、8%の食塩水300gに食塩を加え、10%にする問題を考えます。

最初の食塩量は、

300×0.08=24g

です。

食塩を□g加えると、食塩量は24+□g、全体量は300+□gになります。

したがって、

(24+□)÷(300+□)=0.10

という関係になります。

小学生には方程式を使わず、面積図で10%との差に注目させます。

元の食塩水は目標の10%より2%薄いため、300g全体で不足している食塩量は、

300×0.02=6g

です。

一方、加える食塩は100%なので、10%より90%濃いと考えます。

6÷0.90=6と3分の2g

となります。

このように、目標濃度との差を面積として比べる方法も、面積図の重要な応用です。

仕事算は途中で人数や速さが変わる

仕事算の応用では、途中から働く人数が変わる問題が多くあります。

たとえば、AさんとBさんが一緒に3時間働き、その後Aさんだけが2時間働いて仕事を終えたとします。

面積図では、横を時間、縦を1時間当たりの仕事量、面積を終わった仕事量として表します。

最初の3時間は、AさんとBさんの仕事率を合わせた高さです。

後の2時間は、Aさんだけの高さになります。

長方形を時間帯ごとに分け、それぞれの面積を足すと全体の仕事量1になります。

仕事算の応用で大切なのは、全体を一つの長方形にしようとしないことです。

働く人や仕事率が変わった時点で図を分けると、条件を整理しやすくなります。

複合問題では面積図以外の方法も組み合わせる

入試の応用問題では、面積図だけですべてを解けない場合があります。

平均と比が組み合わされる問題では、比を線分図で整理した後、平均を面積図で考えることがあります。

速さと仕事量が似た形で出る問題では、時間の流れをダイヤグラムで確認し、全体量を面積として整理することもあります。

大切なのは、最初から一つの図に決めつけないことです。

2つの量の積を整理したい部分では面積図、差や比を比べたい部分では線分図というように、役割を分けます。

面積図の応用力とは、複雑な長方形を描く力ではありません。どの条件を面積図で整理すべきかを判断する力です。

面積図の応用力を伸ばす家庭学習法

基本問題と応用問題を1対1で結びつける

応用問題を解いた後は、その問題がどの基本問題を組み合わせたものか確認します。

たとえば、食塩水を混ぜる問題なら、

それぞれの食塩量を求める基本
食塩量を合計する基本
全体量で割って濃度を求める基本

の3つが組み合わされています。

応用問題だけを繰り返すのではなく、対応する基本問題を1問ずつ解くと、必要な考え方が明確になります。

家庭では、「この問題の中に、前に解いたどの基本が入っている?」と聞いてみましょう。

応用を特別な問題として扱わず、基本の組み合わせとして見られるようになると、苦手意識が弱まります。

答えを出す前に図の変化を説明させる

面積図を書いたら、すぐに計算を始めず、変化を言葉で説明させます。

「人数が1人増えた」
「平均点が1点上がった」
「合計点の面積が増えた」
「食塩水の重さは増えたが食塩量は同じ」

といった説明です。

30秒程度でも構いません。

図の変化を説明できれば、どの面積を足し引きすればよいか分かります。

説明できない場合は、図を写しただけで、数量関係を理解できていない可能性があります。

条件を一つ減らした問題へ戻る

応用問題で止まったときは、すぐ解説を写すのではなく、条件を一つ減らした問題へ戻ります。

たとえば、異なる濃度の食塩水を混ぜる問題が難しいなら、まず一つの食塩水に含まれる食塩量を求めます。

途中で人数が変わる平均算が難しいなら、人数が変わらない基本問題へ戻ります。

仕事率が途中で変化する問題なら、一定の仕事率で働く問題を確認します。

どの条件が加わったことで混乱したかを見つけることが、応用問題の克服につながります。

翌日と1週間後に類題で再現する

解説を見た直後は、面積図や式を覚えているため、同じ問題を解けることがあります。

理解を確認するには、翌日に問題文だけで図を再現します。

さらに1週間後には、数字や設定を変えた類題へ取り組みます。

たとえば、平均点の問題を平均身長や平均体重へ変えても、人数×平均=合計という関係は同じです。

類題で自力作図できれば、問題の表面ではなく数量関係を理解できています。

復習では答えまで求めなくても、図を書き、式の方針を説明できれば十分です。

まとめ

中学受験算数の面積図の応用問題は、基本とまったく異なる考え方を使うわけではありません。

人数×平均=合計、全体量×濃度=部分量、時間×仕事率=仕事量という基本関係を、変化の前後で複数回使います。

応用問題で大切なのは、縦・横・面積のうち何が変わり、何が変わらないかを見抜くことです。

問題文を一文ずつ図へ移し、変化前と変化後を別の長方形で表しましょう。その後、同じ面積、増えた面積、減った面積に注目して式を作ります。

家庭学習では、応用問題に対応する基本問題を確認し、図の変化を言葉で説明させることが効果的です。

止まった場合は、条件を一つ減らした問題へ戻り、翌日と1週間後に類題で再現してください。

面積図の応用力とは、複雑な図を暗記する力ではありません。基本となる3つの量を見つけ、条件の変化に合わせて長方形を分け、必要な計算を自分で判断する力です。

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