中学受験算数「速さのグラフ」応用問題の解き方

\【中学受験】立体図形が “伸び悩みの壁” になっていませんか?/

中学受験の算数で、最も「家庭では教えにくい」と言われるのが立体図形です。

  • 平面図だけではイメージできない
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  • 点数が安定しない

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速さのグラフの応用問題が難しくなる理由

中学受験ママ
中学受験ママ

うちの子は速さのグラフの基本はできるのに、応用問題になると急に手が止まり、私も教え方に迷います

この記事では、中学受験算数の速さのグラフ応用問題について、難しくなる原因、解く順番、家庭での具体的な練習方法を分かりやすく解説します。

速さのグラフの応用問題では、線の意味を読むだけでは答えに届きません。出発時刻のずれ、途中の休憩、折り返し、速さの変化、二人が出会う位置など、複数の条件を整理する力が必要です。

そのため、基本問題が解ける子でも、情報量が増えると「何から計算すればよいか分からない」と感じます。

ただし、応用問題も、一つひとつの区間に分ければ、使う知識は速さの基本、出会い、追いつき、比などです。複雑なグラフを一度に理解しようとせず、条件を小さく分けることが解決への第一歩になります。

速さのグラフの応用問題は、特別な公式を知っているかどうかで決まるわけではありません。

基本知識を組み合わせ、必要な情報を自分で選ぶことが難しさの中心です。

複数の行動が一つのグラフに入っている

基本問題では、一人が一定の速さで進むだけのグラフが多く見られます。

応用問題では、

・途中で速さを変える
・一定時間休憩する
・目的地で折り返す
・別の人が後から出発する
・途中で出会ったあと再び離れる

といった行動が一つのグラフに入ります。

例えば、Aさんが30分で3km進み、10分休憩したあと、速さを上げて目的地へ向かったとします。

この場合、グラフには右上がり、横向き、より急な右上がりという3つの区間ができます。

子どもがグラフ全体を一つの線として見ると混乱します。折れ曲がる点ごとに、

①進む
②止まる
③速く進む

と区切る必要があります。

応用問題では、最初に線を分ける作業が欠かせません。

グラフにない数値を自分で求める必要がある

基本問題では、目盛りから時間や道のりを直接読めることが多くあります。

一方、応用問題では、交点の時刻や折れ曲がる点の道のりが空欄になっている場合があります。

例えば、Aさんが時速4kmで先に出発し、30分後にBさんが時速6kmで追いかけたとします。

Bさんが出発した時点で、Aさんは、

4×0.5=2km

先にいます。

二人の速さの差は、

6-4=時速2km

です。

したがって、Bさんが追いつくまでの時間は、

2÷2=1時間

となります。

グラフに交点の時刻が書かれていなくても、出発時刻の差と速さから求めなければなりません。

応用問題では、「読める数」と「計算して作る数」を分けることが大切です。

出会い・追いつきと速さの比が組み合わされる

速さのグラフでは、旅人算や比との組み合わせもよく出ます。

同じ時間進んだ場合、進んだ道のりの比は速さの比と同じです。

例えば、AさんとBさんの速さの比が3:2で、同時に出発して30分進んだなら、進んだ道のりの比も3:2です。

一方、同じ道のりを進んだ場合、かかる時間の比は速さの比と逆になります。

速さの比が3:2なら、時間の比は2:3です。

応用問題では、この関係を利用して、グラフに数値がなくても区間の長さを比で求めることがあります。

「同じ時間なのか」「同じ道のりなのか」を確認しないまま比を使うと、逆にする場面を間違えやすくなります。

問題文とグラフを行き来する必要がある

グラフだけでは分からない情報が、問題文に書かれていることがあります。

例えば、横向きの線から停止していることは分かりますが、休憩なのか、待ち合わせなのか、荷物を受け取っているのかは問題文を読まなければ判断できません。

また、2本の線が交わっていても、向かい合って進んでいるのか、同じ方向へ進んでいるのかによって、出会いか追いつきかが変わります。

応用問題では、

問題文を読む

グラフで位置を確認する

必要な計算をする

再び問題文の問いを確認する

という行き来が必要です。

数字だけを追うのではなく、人物の行動とグラフを対応させる力が求められます。

速さのグラフ応用問題を解く基本手順

応用問題では、計算を始める前の整理が正答を左右します。

毎回同じ順番で確認することで、情報量が多い問題でも落ち着いて取り組めます。

軸・目盛り・登場人物を確認する

最初に、横軸、縦軸、1目盛りの大きさを確認します。

多くの場合、横軸は時間、縦軸は出発地点からの道のりです。

ただし、横軸が経過時間ではなく時刻になっていたり、縦軸が目的地からの距離になっていたりする場合もあります。

次に、線が誰を表しているかを確認します。

Aさんの線
Bさんの線
バスの線
徒歩の人の線

など、線の近くに名前を書き込むと混乱を防げます。

また、出発地点が同じか、反対側かも確認してください。

応用問題ほど、計算前の20秒が重要です。

折れ曲がる点でグラフを区切る

線が折れ曲がる点では、速さ、方向、停止のどれかが変わっています。

すべての折れ曲がる点に丸を付け、区間へ①②③と番号を書きます。

例えば、

①0分から30分まで進む
②30分から45分まで停止
③45分から75分まで速く進む
④75分後に折り返す

と整理します。

二人分のグラフがある場合は、AさんとBさんを別々に区切ってください。

一度に二人の動きを追うと混乱しやすいため、まずAさんの物語、次にBさんの物語を完成させます。

その後で、交点や二人の距離に注目します。

各区間の時間・道のり・速さを整理する

区間を分けたら、それぞれについて次の3つを書き出します。

・時間
・道のり
・速さ

例えば、30分で3km進んだ区間なら、

時間=30分=0.5時間
道のり=3km
速さ=3÷0.5=時速6km

です。

45分から75分までに4km進んだなら、かかった時間は30分です。

グラフ上の75分をそのまま使うのではなく、

75-45=30分

と区間の時間を求めます。

応用問題では、出発からの経過時間と、その区間にかかった時間を混同しやすくなります。

必ず「終わりの時刻-始まりの時刻」で区間の時間を出しましょう。

交点や空白部分の意味を言葉にする

2本の線の交点では、二人が同じ時刻に同じ場所にいます。

向かい合っていれば出会い、同じ方向なら追いつきです。

交点を見つけたら、

「誰と誰が」
「何分後に」
「どこで」
「何をしたのか」

を一文にします。

また、グラフに数値が書かれていない部分には、記号を置く方法も有効です。

例えば、交点までの時間を□分、道のりを△kmと置きます。

分からない数を曖昧なままにせず、記号で表すことで、どの条件から求めるかを考えやすくなります。

速さのグラフで頻出する応用問題

速さのグラフの応用では、典型的な条件の組み合わせがあります。

形を丸暗記するのではなく、使う考え方を理解しましょう。

出発時刻が異なる追いつき問題

追いつき問題では、先に出発した人が作った距離を、後から速い人が縮めます。

Aさんが午前9時に時速4kmで出発し、Bさんが午前9時30分に時速7kmで追いかけたとします。

Bさんが出発するまでの30分で、Aさんは、

4×0.5=2km

進んでいます。

二人の速さの差は、

7-4=時速3km

です。

追いつくまでの時間は、

2÷3=3分の2時間=40分

となります。

したがって、Bさんが追いつくのは午前10時10分です。

グラフでは、Aさんの線が先に始まり、Bさんの線が後から急な傾きで伸びて交わります。

最初に求めるのは、後の人が出発した時点での二人の距離です。

休憩中に別の人が追いつく問題

Aさんが途中で休憩し、その間にBさんが追いつく問題も頻出です。

例えば、Aさんが時速6kmで40分進み、その場所で20分休憩するとします。

Aさんが休憩を始めた場所は、

6×40÷60=4km地点

です。

BさんがAさんの出発から20分後に時速8kmで出発した場合、Bさんが4km地点に着くまでの時間は、

4÷8=0.5時間=30分

です。

Bさんの出発はAさんの20分後なので、Aさんの出発から数えると、

20+30=50分後

に4km地点へ着きます。

Aさんは40分後から60分後まで休憩中なので、二人はAさんの休憩中に出会います。

グラフでは、Aさんの横向きの線とBさんの右上がりの線が交わります。

横向きの線との交点も、同じ場所にいることを表します。

折り返した人と途中で出会う問題

一人が目的地で折り返し、もう一人と途中で出会う問題では、二人が向かい合う区間を見つけます。

AさんがP地点からQ地点へ時速6kmで進み、Q地点で折り返して時速4kmで戻るとします。

BさんはP地点から遅れて出発し、時速5kmでQ地点へ向かいます。

Aさんが折り返した後は、AさんとBさんが向かい合うため、二人が近づく速さは、

4+5=時速9km

です。

ただし、計算する前に、Aさんが折り返した時点で二人が何km離れているかを求めなければなりません。

応用問題では、出会う場面だけを見るのではなく、その場面が始まった時点の距離を確認します。

グラフでは、右下がりの線と右上がりの線の交点が出会いを表します。

速さの比や時間の比を利用する問題

数値が少ないグラフでは、比を使って空欄を求める場合があります。

AさんとBさんが同じ時間進み、Aさんが6km、Bさんが4km進んだなら、速さの比は、

6:4=3:2

です。

また、同じ6kmをAさんが40分、Bさんが60分で進んだなら、時間の比は、

40:60=2:3

なので、速さの比は逆の、

3:2

となります。

グラフ上で同じ横幅なら同じ時間、同じ縦幅なら同じ道のりです。

応用問題では、どちらがそろっているかを見つけることで、速さや時間の比を利用できます。

応用問題を解けるようにする家庭学習

応用問題への対策では、難問を何度も解くだけでは十分ではありません。

条件を整理する力と、基本知識を選ぶ力を分けて練習しましょう。

一つの条件を隠して逆算する練習を行う

基本問題を解けるようになったら、同じ問題の一部を隠して考えさせます。

例えば、

「30分で3km進んだ」

という条件から時速を求めるだけでなく、

「時速6kmで3km進むには何分かかるか」

と逆向きに問います。

3÷6=0.5時間=30分

です。

さらに、

「時速6kmで30分進んだ道のりは何kmか」

と変えれば、

6×0.5=3km

となります。

一つの場面を速さ、時間、道のりの3方向から考えると、グラフの空欄を埋める力が育ちます。

グラフを部分ごとに説明させる

応用問題を解いた後は、答えだけでなく、各区間の意味を説明させます。

「この横向きの線は何?」
「なぜここで傾きが変わった?」
「この交点では何が起きた?」
「どの区間で二人は向かい合っている?」

と質問します。

一つのグラフを最初から最後まで説明するのが難しい場合は、1区間ずつで構いません。

計算式を暗記しているだけの子は、条件が変わると解けなくなります。

グラフを言葉に直せる子は、初めて見る問題でも必要な考え方を選びやすくなります。

解けなかった原因を段階別に戻す

応用問題を間違えたときは、「応用力がない」とまとめないようにしましょう。

原因は、次のように分けられます。

・軸や目盛りを読み違えた
・区間を正しく分けられなかった
・単位換算を間違えた
・出会いと追いつきを取り違えた
・比の使い方が分からなかった
・計算だけを間違えた

区間分けができなかったなら、一人の短いグラフへ戻ります。

追いつきを間違えたなら、速さの差を使う基本問題を解きます。

比が使えなかったなら、同じ時間と同じ道のりの違いを確認します。

原因に合った基本問題を2~3問解いてから、元の応用問題へ戻ると理解がつながります。

標準問題と応用問題を交互に解く

応用問題ばかり続けると、子どもは毎回多くの条件を整理しなければならず、疲れやすくなります。

おすすめは、

標準問題1問
応用問題1問
関連する標準問題1問

という順番です。

例えば、追いつきの応用問題を解く前後に、速さの差を使う短い問題を入れます。

応用問題で使った基本が明確になり、「難しい問題も基本の組み合わせでできている」と気づきやすくなります。

家庭学習は1日20分程度を目安にし、問題数より説明できることを優先しましょう。

まとめ|速さのグラフ応用は条件を分けて考える

中学受験算数の速さのグラフ応用問題では、休憩、折り返し、出発時刻のずれ、出会い、追いつき、速さの比などが組み合わされます。

難しく見える理由は、一つのグラフに複数の行動が含まれ、直接書かれていない数値を自分で求める必要があるからです。

問題を見たら、まず横軸、縦軸、目盛り、登場人物を確認してください。

次に、折れ曲がる点でグラフを区切り、各区間を「進む」「止まる」「戻る」「速さが変わる」と言葉にします。

その後、区間ごとの時間、道のり、速さを整理します。区間の時間は、終わりの時刻から始まりの時刻を引いて求めましょう。

2本の線の交点では、二人が同じ時刻に同じ場所にいます。向かい合っていれば出会い、同じ方向なら追いつきです。

追いつきでは先にできた距離と速さの差、出会いでは二人の間の距離と速さの和が基本になります。

家庭学習では、グラフを部分ごとに説明する練習、一つの条件を隠して逆算する練習、標準問題と応用問題を交互に解く方法が効果的です。

応用問題が解けなかったときは、読み取り、区間分け、単位、旅人算、比、計算のどこに原因があるかを確認し、必要な基本へ戻りましょう。

速さのグラフの応用力とは、特別な解法を多く覚えることではありません。複雑な条件を小さな区間へ分け、基本的な考え方を正しく選べる力です。

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