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中学受験算数の速さと比は復習で差がつく

速さと比を復習しているはずなのに、うちの子がまた同じ問題で間違えてしまい、私も不安です。
この記事では、中学受験算数の速さと比を復習で定着させるために、家庭で何を見直せばよいのかを順番に解説します。
解きっぱなしでは速さと比は定着しにくい
中学受験算数の速さと比は、復習の仕方で大きく差がつく単元です。授業中は分かったように見えても、テストになると手が止まる子は少なくありません。
その理由は、速さと比が単純な公式暗記だけでは解けないからです。速さには「道のり=速さ×時間」という基本があります。比には「何つ分」と考える基本があります。しかし、速さと比が組み合わさると、「その比をどの量に使うのか」を判断しなければなりません。
たとえば、AさんとBさんの速さの比が2:3だとします。2人が同じ時間だけ進むなら、道のりの比も2:3になります。ところが、2人が同じ道のりを進むなら、時間の比は3:2になります。
この違いをあいまいにしたまま問題数だけを増やしても、似た問題では解けても少し条件が変わると迷います。速さと比は、解きっぱなしではなく、解いた後に「なぜその比を使ったのか」を確認することで定着していきます。
復習すべきは公式ではなく「何が同じか」
速さと比の復習でよくある失敗は、公式や解法をもう一度覚え直すだけで終わることです。もちろん公式は大切ですが、速さと比でつまずく子の多くは、公式そのものよりも「何が同じか」を見つけるところで困っています。
速さと比では、同じ時間なのか、同じ道のりなのかによって考え方が変わります。同じ時間なら、速い人ほど長く進むので、道のりの比は速さの比と同じです。同じ道のりなら、速い人ほど短い時間で着くので、時間の比は速さの比の逆になります。
復習では、答えを写すよりも先に、「この問題で同じだったものは何か」を確認しましょう。「同時に出発した」「出会うまで動いた」「同じ距離を進んだ」「行きと帰りで同じ道を通った」など、問題文の中にヒントがあります。
家庭では、「この問題は何が同じだった?」と短く聞くだけでも十分です。子どもが「時間」「道のり」と答えられるようになると、速さと比の復習はぐっと効果的になります。
同じミスをくり返す原因を見える化する
速さと比で同じようなミスをくり返す場合、原因を見える化することが大切です。ただ「また間違えた」で終わらせると、次に何を直せばよいのか分かりません。
よくある原因は、同じ時間なのに道のりの比を作れなかった、同じ道のりなのに時間の比を逆にできなかった、単位をそろえずに比を作った、出会い算で全体の道のりを分けられなかった、追いつき算で同じ時間に動いている部分を見つけられなかった、最後に聞かれているものを取り違えた、などです。
復習ノートには、問題番号の横に「同じ道のりを見落とした」「単位ミス」「追いつき算の整理不足」のように一言で原因を書きます。これだけで、次に戻るべき場所が見えます。
速さと比の復習では、間違いを責める必要はありません。むしろ、間違いは次に点を取るためのヒントです。原因を見える化することで、復習がただの作業から、得点につながる学習に変わります。
速さと比の復習で戻るべき基本
同じ時間なら道のりの比は速さの比と同じ
速さと比の復習でまず戻るべき基本は、「同じ時間なら、道のりの比は速さの比と同じ」という考え方です。
たとえば、Aさんの速さが分速60m、Bさんの速さが分速90mだとします。速さの比は60:90=2:3です。2人が同じ10分間歩くと、Aさんは600m、Bさんは900m進みます。道のりの比は600:900=2:3です。
つまり、同じ時間だけ動くなら、速い人ほどその分だけ長く進むということです。速さが2:3なら、道のりも2:3になります。
この考え方は、出会い算でよく使います。2人が向かい合って同時に出発し、出会うまで同じ時間動いているなら、それぞれが進んだ道のりを速さの比で分けられます。
復習では、「この2人は同じ時間動いていたのか」を必ず確認しましょう。同じ時間だと分かれば、速さの比を道のりの比として使える可能性が高くなります。
同じ道のりなら時間の比は速さの比の逆
次に大切なのが、「同じ道のりなら、時間の比は速さの比の逆になる」という基本です。ここは速さと比で最も間違えやすいポイントです。
たとえば、AさんとBさんが同じ1200mを進むとします。Aさんの速さが分速60m、Bさんの速さが分速90mなら、速さの比は2:3です。
Aさんは1200÷60=20分、Bさんは1200÷90=13と3分の1分かかります。比で考えると、時間の比は3:2です。速いBさんの方が、かかる時間は短くなるからです。
ここで「速さの比が2:3だから、時間も2:3」としてしまうと間違えます。同じ道のりでは、速い人ほど時間が短くなるため、時間の比は逆になります。
復習では、「同じ道のり」「同じ距離」「同じ区間」「往復」などの言葉に注目しましょう。これらが出てきたら、時間の比を逆にする場面ではないかを考えることが大切です。
比を作る前に単位をそろえる
速さと比の復習で見落としやすいのが、単位の確認です。考え方は合っていても、時速と分速、kmとmが混ざったまま比を作ると答えがずれてしまいます。
たとえば、Aさんは時速6km、Bさんは分速80mで進むとします。このまま6:80としてはいけません。時速6kmは、6km=6000m、1時間=60分なので、分速100mです。したがって、2人の速さの比は100:80=5:4になります。
速さと比では、比を作る前に「同じ単位か」を確認することが必要です。特に、時速・分速・秒速、km・m、時間・分・秒が混ざる問題では、式を書く前に単位をそろえる習慣をつけましょう。
復習ノートには、「時速→分速」「km→m」と小さく書き残すだけでも効果があります。単位ミスは、理解不足ではなく確認不足で起こることも多いので、復習で確実に減らしていきましょう。
家庭でできる速さと比の復習法
線分図で条件をもう一度整理する
家庭で速さと比を復習するときは、解説を読むだけでなく、線分図で条件をもう一度整理することが効果的です。速さと比は、頭の中だけで考えると、同じ時間なのか同じ道のりなのかを取り違えやすいからです。
同じ時間進む問題なら、2人が同時に動いていることを線分図に書きます。そして、進んだ道のりを速さの比で分けます。速さの比が3:4なら、同じ時間に進む道のりも3:4です。
同じ道のりを進む問題なら、2人が同じ距離を進んでいることを線で表します。その場合、速い人ほど時間が短くなるため、時間の比は速さの比の逆になります。
出会い算では、2人が向かい合う矢印を書きます。追いつき算では、同じ方向に進む矢印を書き、先に進んだ分と、同じ時間に動いた分を分けて考えます。
線分図はきれいでなくて構いません。自分が見直したときに「何が同じか」が分かることが目的です。
1問ごとに比を使う理由を説明させる
速さと比の復習では、子ども自身の言葉で説明することが大切です。答えが合っていても、理由を説明できなければ理解が浅い場合があります。
たとえば、道のりの比を速さの比と同じにした問題では、「なぜ同じ比でよいの?」と聞いてみます。子どもが「同じ時間進んだから」と答えられれば、考え方は安定しています。
時間の比を逆にした問題では、「なぜ逆にしたの?」と聞きます。「同じ道のりだから、速い人ほど時間が短くなる」と言えれば、理解できています。
親がすべてを解説する必要はありません。「同じなのは何?」「その比はそのまま?逆?」「最後に求めるものは何?」と短く質問するだけでも、子どもは自分で考え直せます。
復習の目的は、答えを覚えることではなく、次に似た問題が出たときに自力で判断できるようにすることです。
間違えた問題を原因別に分ける
速さと比の復習では、間違えた問題を原因別に分けましょう。すべてを「分からなかった」で済ませると、次に何をすればよいのか見えません。
よくある原因は、同じ時間なのに道のりの比を作れなかった、同じ道のりなのに時間の比を逆にできなかった、単位をそろえずに比を作った、出会い算で全体の道のりを分けられなかった、追いつき算で同じ時間に動いている部分を見つけられなかった、最後に聞かれているものを間違えた、などです。
原因が分かれば、戻るべき基本がはっきりします。同じ道のりで間違えたなら、時間の比を逆にする問題へ戻ります。単位ミスなら、時速・分速の変換を短く練習します。追いつき算で迷ったなら、線分図で同じ時間を探す練習をします。
家庭では、「どこで迷ったか分かったね」と前向きに声をかけましょう。間違いの原因が分かることは、次に伸びる準備ができたということです。
テスト後に速さと比を得点源へ変える復習
同じ型を3問ずつ解き直す
テスト後の復習では、間違えた問題そのものだけでなく、同じ型を3問ほど解き直すと定着しやすくなります。
たとえば、同じ時間の問題で間違えたなら、道のりの比を速さの比と同じにする問題を3問解きます。同じ道のりの問題で間違えたなら、時間の比を逆にする問題を3問解きます。追いつき算で迷ったなら、同じ方向に進む問題を3問解きます。
同じ型を続けて解くことで、「この問題では何に注目するのか」が見えやすくなります。1問だけ直すよりも、似た型で考え方を確認した方が、次のテストで使える力になります。
家庭学習では、量を増やしすぎる必要はありません。大切なのは、解いた後に「今日は何の型を復習したか」を子どもが言えることです。型を言葉にできると、初見問題でも判断しやすくなります。
解き直しは3段階で行う
速さと比の解き直しは、3段階で行うと効果的です。
1回目は、解説を読んでどこでつまずいたかを確認します。ここでは答えを写すのではなく、「同じ時間を見落とした」「単位をそろえなかった」など、原因を見つけます。
2回目は、解説を閉じて自力で解き直します。線分図を書き、同じ時間か同じ道のりかを確認しながら進めます。
3回目は、「なぜその比を使ったのか」を言葉で説明します。「同じ時間だから道のりの比が速さの比と同じ」「同じ道のりだから時間の比は逆」と言えれば、復習が定着してきています。
解き直しの目的は、答えを覚えることではありません。考え方を再現できるようにすることです。3段階で復習すると、解説を読めば分かる状態から、自力で解ける状態へ近づきます。
次のテスト用の確認ルールを決める
速さと比の復習の最後には、次のテストで使う確認ルールを決めておきましょう。おすすめは、「同じもの・単位・求めるもの」の3つです。
まず、「同じもの」を確認します。同じ時間なのか、同じ道のりなのかを見ます。次に、「単位」を確認します。時速・分速・秒速、km・m、時間・分・秒がそろっているかを見ます。最後に、「求めるもの」を確認します。速さなのか、時間なのか、道のりなのか、問題文の最後まで読みます。
この3つを確認するだけでも、速さと比でよくある失点はかなり防ぎやすくなります。
特にテストでは、焦って式を先に書いてしまいがちです。普段の復習から、問題文を読んだら「同じもの・単位・求めるもの」を確認する習慣をつけておきましょう。
復習は、過去の間違いを直すだけではありません。次のテストで同じ失敗をしないための準備です。
まとめ
中学受験算数の速さと比は、復習の仕方で大きく伸びる単元です。解きっぱなしや答え写しだけでは、次に似た問題が出たときに自力で解けるようになりません。
復習では、まず「何が同じか」を確認しましょう。同じ時間なら道のりの比は速さの比と同じ、同じ道のりなら時間の比は速さの比の逆になります。比を作る前には、時速・分速・秒速、km・mなどの単位をそろえることも大切です。
家庭では、線分図で条件をもう一度整理し、1問ごとに「なぜその比を使ったのか」を子どもに説明してもらいましょう。間違えた問題は原因別に分けると、戻るべき基本がはっきりします。
テスト後は、同じ型を3問ずつ解き直し、解き直しを3段階で行うと定着しやすくなります。最後に、次のテストで使う「同じもの・単位・求めるもの」の確認ルールを決めておきましょう。速さと比は、正しく復習すれば苦手単元から得点源へ変えられます。
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