中学受験算数「比の利用」の解き方を基礎から解説

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中学受験算数の「比の利用」とは何をする問題?

中学受験ママ
中学受験ママ

うちの子は比の計算はできるのに、文章題になると何を比べればよいのか分からず止まってしまいます

この記事では、そんな悩みに対して、比の利用の基本的な解き方から頻出問題への当てはめ方、家庭での教え方まで順を追って解説します。

中学受験算数では、比そのものを簡単にする問題だけでなく、比を利用して人数、長さ、代金、重さなどを求める問題が数多く出題されます。

計算方法を覚えていても、文章中の数量がどの比に対応しているかを整理できなければ、正しい式は作れません。

反対に、「何と何を比べているか」「比の1はいくつか」という2点を丁寧に確認できれば、多くの問題は同じ手順で解けるようになります。

比を使って分からない数量を求める

比の利用とは、2つ以上の数量の関係を比で表し、分かっていない数量を求める考え方です。

たとえば、赤い玉と白い玉の個数の比が3:5で、赤い玉が12個あるとします。

比の3にあたる数量が12個なので、比の1にあたる数量は、

12÷3=4個

です。

白い玉は比の5にあたるため、

4×5=20個

と求められます。

このように、比の利用では、実際の数量をいったん「比の1あたり」に直し、そこから必要な数量を求めるのが基本です。

比の値と実際の数量を区別する

比が苦手な子は、3:5という比を見たときに、3個と5個だと考えてしまうことがあります。

しかし、比の3と5は、実際の個数を表しているとは限りません。数量同士の関係を示す目盛りのようなものです。

赤い玉と白い玉の比が3:5でも、実際の個数は6個と10個、12個と20個、30個と50個など、同じ比になる組み合わせがいくつもあります。

したがって、比の問題では「比の数字」と「実際の数量」を分けて書くことが大切です。

ノートでは、次のように縦に対応させると整理しやすくなります。

赤:白=3:5
実際 12:□

この形を作るだけで、3が12に対応していることが見えやすくなります。

割合との違いを理解する

比と割合はよく似ていますが、見方が少し異なります。

割合は、ある数量を基準にして、もう一方がその何倍かを表します。一方、比は2つ以上の数量を並べて関係を表します。

たとえば、男子と女子の人数の比が2:3の場合、男子を基準にすれば、女子は男子の1.5倍です。女子を基準にすれば、男子は女子の3分の2です。

つまり、同じ数量関係を、比では2:3、割合では1.5倍や3分の2と表せます。

比の利用で大切なのは、どちらを基準にするかを急いで決めることではありません。まず、比の各数字に何が対応しているかを正確に並べることです。

比の利用の基本的な解き方は4ステップ

ステップ1|何と何の比かを確認する

問題文を読んだら、最初に比べている数量を確認します。

たとえば、「兄と弟の所持金の比は5:3」とあれば、5が兄、3が弟に対応します。

ここを逆にすると、その後の計算が合っていても答えは間違います。

子どもには、比を見つけたら数字だけを書くのではなく、

兄:弟=5:3

のように、必ず言葉を添えて書かせましょう。

特に文章が長い問題では、登場する順番と比の順番が異なることもあります。数字だけで覚えず、対応する名前を書く習慣が重要です。

ステップ2|対応する数量をそろえる

次に、分かっている実際の数量を、比の下に対応させます。

兄と弟の所持金の比が5:3で、兄が1,500円持っているなら、

兄:弟=5:3
金額 1,500円:□円

と整理します。

このとき、兄の比5と1,500円が縦に対応していることが重要です。

比の問題で式が立たない子の多くは、この対応を頭の中だけで処理しています。書いて整理するだけで、割る数と掛ける数を判断しやすくなります。

ステップ3|比の1あたりを求める

対応が確認できたら、実際の数量を比の数字で割ります。

兄の比5が1,500円にあたるため、

1,500÷5=300円

となります。

この300円が、比の1にあたる実際の数量です。

比の利用では、この「比の1あたり」を求められるかどうかが最も重要です。

子どもが迷ったときは、「比の5個分が1,500円なら、比の1個分はいくら?」と聞くと理解しやすくなります。

ステップ4|求める数量に戻す

比の1あたりが分かったら、求めたい数量の比を掛けます。

弟は比の3にあたるため、

300×3=900円

です。

したがって、弟の所持金は900円となります。

この解き方は、

実際の数量÷対応する比=比の1あたり
比の1あたり×求める比=答え

という2つの式で整理できます。

ただし、公式として丸暗記するだけでは不十分です。何を何で割り、なぜその比を掛けるのかを説明できる状態を目指しましょう。

比の利用でよく出る問題の解き方

全体を比で分ける問題

比の利用で頻出なのが、全体の数量を指定された比に分ける問題です。

たとえば、84個のあめを兄と弟で4:3に分けるとします。

比の合計は、

4+3=7

です。

全体の84個が比の7にあたるため、比の1は、

84÷7=12個

となります。

兄は比の4なので、

12×4=48個

弟は比の3なので、

12×3=36個

です。

全体を分ける問題では、最初に比を足すことがポイントです。

「全体が比のいくつ分にあたるか」を確認すると、なぜ4+3をするのかが理解できます。

一方の数量からもう一方を求める問題

一方の数量だけが分かっている問題では、分かっている数量に対応する比で割ります。

たとえば、AとBの長さの比が7:4で、Aが35cmなら、

35÷7=5cm

が比の1にあたります。

Bは比の4なので、

5×4=20cm

です。

この問題で、35÷4としてしまう子がいます。原因は、求めるBの比4に目が向き、分かっている35cmがどこに対応するかを確認していないためです。

割る数は、求める側の比ではなく、分かっている実際の数量に対応する比です。

差と比から2つの数量を求める問題

差と比を使う問題も、中学受験ではよく出題されます。

たとえば、兄と弟の年齢の比が5:3で、年齢差が6歳だとします。

比の差は、

5-3=2

です。

実際の年齢差6歳が、比の差2にあたるため、

6÷2=3歳

が比の1にあたります。

兄は、

3×5=15歳

弟は、

3×3=9歳

です。

差が示されている問題では、比も引き算します。

全体が示されていれば比を足し、差が示されていれば比を引く、と整理すると判断しやすくなります。

連比を使う問題

3つの数量を比べるときは、連比を使うことがあります。

たとえば、

A:B=2:3
B:C=4:5

から、A:B:Cを求める問題です。

2つの比では、Bの数字が3と4で異なっています。そこで、Bを同じ数にそろえます。

3と4の最小公倍数は12なので、

A:B=8:12
B:C=12:15

となります。

したがって、

A:B:C=8:12:15

です。

連比では、共通する数量の比をそろえることが最優先です。すべての数字を同じ数倍するのではなく、片方の比全体を何倍するかを意識させましょう。

比の利用が解けない原因と家庭での教え方

数字だけを見て式を作っている

比の利用が解けない子は、問題文の数字を見つけると、すぐに掛け算や割り算を始める傾向があります。

しかし、比の問題では、数字同士の対応を確認する前に計算してはいけません。

たとえば、3:5と20という数字を見て、20÷3や20÷5を試している状態では、考え方が定着しません。

まず、

何と何の比か
20はどちらに対応するか
全体なのか一部分なのか

を確認する必要があります。

家庭では「どの式を使うの?」と聞く前に、「20は比のどこに当たるの?」と質問してください。

対応関係をそろえられていない

比の利用では、比の順番と実際の数量の順番をそろえることが欠かせません。

たとえば、

男子:女子=2:3

なのに、実際の人数を、

女子30人:男子□人

という順番で並べると混乱します。

正しくは、

男子:女子=2:3
人数 □人:30人

です。

比を縦に書く、表にする、同じものを上下に並べるなど、見た目で対応が分かる形にしましょう。

文章を読んだだけで式を立てようとせず、1行整理してから計算する習慣がミスを減らします。

比の1と実際の1を混同している

「比の1あたり」という表現に戸惑う子もいます。

比の1は、実際の1個、1円、1cmという意味ではありません。比の目盛り1つ分にあたる実際の数量です。

たとえば、赤と白の玉の比が2:3で、赤が10個なら、比の1は5個です。

このとき、「1なのに5個なの?」と疑問を持つ子がいます。

家庭では、比を箱やまとまりとして説明すると分かりやすくなります。

「赤は同じ大きさの箱が2個分で、全部で10個。だから1箱分は5個」と説明すれば、比の1が実際の1とは異なることを理解しやすくなります。

家庭では説明させて理解を確かめる

比の利用は、正解したかどうかだけでは理解度を判断しにくい単元です。

たまたま正しい式を選んだり、数字の組み合わせから答えを予想したりすることがあるためです。

問題を解いたあと、子どもに次の3点を説明してもらいましょう。

「何と何の比だったか」
「分かっている数量は比のいくつにあたるか」
「比の1はいくつだったか」

たとえば、「35÷7をした理由は?」と聞いたときに、「Aの比7が35cmだから、比の1を出すため」と答えられれば、考え方を理解できています。

一方、「そういう公式だから」と答える場合は、似た問題でつまずく可能性があります。

毎日多くの問題を解かせるより、1問について短く説明させるほうが、比の利用では定着につながります。

復習は、同じ問題を当日、2~3日後、1週間後に解き直す方法が効果的です。数字が変わっても同じ手順で解けるかを確認しましょう。

まとめ|比の利用は対応と1あたりを意識する

中学受験算数の比の利用では、比の計算力だけでなく、文章中の数量を正しく対応させる力が必要です。

基本的な解き方は、次の4ステップです。

まず、何と何の比かを確認します。次に、分かっている実際の数量を比に対応させます。その数量を対応する比で割り、比の1あたりを求めます。最後に、求める数量の比を掛けます。

全体を比で分ける問題では比を足し、差が与えられている問題では比を引きます。一方の数量が分かっている場合は、その数量に対応する比で割ることが大切です。

子どもが解けないときは、式をすぐに教えるのではなく、「何と何の比?」「この数量は比のいくつ分?」「比の1はいくつ?」と問いかけてください。

比の利用は、問題ごとに異なる公式を覚える単元ではありません。対応をそろえ、比の1あたりを求めるという共通の流れを身につければ、人数、代金、長さ、重さ、速さなど、幅広い文章題に対応できるようになります。

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