中学受験算数「比の利用」応用問題の解き方

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比の利用の応用問題が難しく感じる理由

中学受験ママ
中学受験ママ

うちの子は比の基本問題なら解けるのに、応用問題になると何を使えばよいのか分からず、私も焦ります

この記事では、そんな悩みに対して、比の利用の応用問題でつまずく原因、解く手順、家庭での練習方法を順を追って解説します。

中学受験算数の比の利用では、基本問題と応用問題の間に大きな差があるように感じることがあります。

基本問題では、「AとBの比は3:5です」と必要な関係が明確に示されます。一方、応用問題では、割合や速さ、図形などの中から比を使える関係を自分で見つけなければなりません。

しかし、応用問題だからといって、毎回特別な発想が必要なわけではありません。

何と何を比べているかを整理し、異なる比をそろえ、分かっている数量と対応させるという基本を丁寧に行えば、多くの問題に対応できます。

比を使うと問題文に書かれていない

基本問題では、「比を使って求めなさい」「人数の比は3:4です」など、比を使うことが分かりやすく示されています。

ところが、入試の応用問題では、比を使うと直接書かれていないことが多くあります。

たとえば、「同じ時間に進んだ2人の距離を比べる」「相似な三角形の辺の長さを求める」「値上げと値引きをしたあとの売値を求める」といった問題です。

これらは速さや図形、売買損益の問題に見えますが、数量関係を比で整理すると解きやすくなります。

応用問題で手が止まる子は、比の計算ができないのではなく、「ここで比を使える」と気づけていないことが少なくありません。

問題文を読んだら、「同じ条件になっている数量はないか」「何倍という関係を作れないか」を探す習慣が必要です。

複数の比や条件を同時に整理する必要がある

応用問題では、1つの比だけでなく、2つ以上の比が登場することがあります。

たとえば、

A:B=2:3
B:C=4:5

という条件です。

このままでは、Bが3と4で異なるため、3つの数量を直接比較できません。

Bを最小公倍数の12にそろえると、

A:B=8:12
B:C=12:15

となり、

A:B:C=8:12:15

と整理できます。

文章が長くなると、子どもは数字をすべて一度に扱おうとして混乱します。

まず比だけを抜き出し、共通する数量をそろえてから実際の数量を当てはめることが大切です。

基本問題の解法暗記だけでは対応できない

比の基本問題では、「全体なら比を足す」「差なら比を引く」と覚えることがあります。

この整理は便利ですが、手順だけを暗記していると応用問題で使えません。

たとえば、兄と弟の所持金の比が5:3で、兄が弟より600円多い場合、600円は実際の差です。

比の差は、

5-3=2

なので、

600÷2=300円

が比の1にあたります。

ここで比を引くのは、「差という言葉があるから」ではありません。実際の差600円が、比の差2に対応するからです。

応用問題では表現が変わります。「多い」「少ない」「残り」「増えた量」などが差を表すこともあります。

式の形ではなく、数量の意味を理解していることが必要です。

比の利用の応用問題を解く5つの手順

手順1|何と何を比べているか書き出す

応用問題では、最初から式を立てようとしないことが大切です。

まず、問題文に登場する比を、言葉と一緒に書き出します。

たとえば、

兄:弟=5:3
赤:白=2:7
行き:帰り=4:3

のように整理します。

数字だけを書いてしまうと、途中で何の比だったか分からなくなります。

文章が長いときほど、比の左側と右側に何が対応しているかを明確にしましょう。

手順2|同じ種類の数量だけを対応させる

次に、比と実際の数量を対応させます。

ここで注意したいのは、同じ種類の数量だけを並べることです。

たとえば、

兄:弟=5:3
金額 1,500円:□円

なら、比と金額が対応しています。

一方、人数の比に代金をそのまま対応させることはできません。

速さの問題でも、速さの比、時間の比、距離の比を区別する必要があります。

同じ時間なら、速さの比と距離の比は等しくなります。同じ距離なら、速さの比と時間の比は逆になります。

何の比を扱っているかを確認することで、誤った対応を防げます。

手順3|比をそろえて共通の基準を作る

複数の比が出てきたら、共通する数量の数字をそろえます。

たとえば、

A:B=3:4
B:C=2:5

なら、Bを4にそろえるため、後半の比を2倍します。

B:C=4:10

となるため、

A:B:C=3:4:10

です。

比をそろえるときは、一方の数字だけを変えてはいけません。比全体を同じ数倍します。

3:4の3だけを変えたり、2:5の2だけを4にしたりすると、元の比ではなくなります。

家庭学習では、「どの数量をそろえるのか」「比全体を何倍したのか」を子どもに言わせると理解を確認できます。

手順4|全体・差・一部分を見つける

比を整理したら、実際に分かっている数量が何を表すかを確認します。

主に次の3つです。

全体が分かっている
差が分かっている
一部分が分かっている

たとえば、A:B:C=3:4:5で、合計が96なら、全体96が比の合計12に対応します。

96÷(3+4+5)=8

が比の1です。

AとCの差が16なら、実際の差16が比の差2に対応します。

16÷(5-3)=8

となります。

Aが24と分かっているなら、比の3が24に対応するため、

24÷3=8

です。

応用問題でも、最終的にはこの3つのどれかに戻る場合が多くあります。

手順5|答えが条件に合うか確かめる

応用問題では、計算が合っていても、条件の読み違いによって答えを間違えることがあります。

答えを出したら、元の条件に当てはめて確認しましょう。

たとえば、兄と弟の所持金が1,500円と900円なら、比は、

1,500:900=5:3

です。

差は、

1,500-900=600円

となり、問題の条件と一致します。

3つの数量を求めた場合は、合計や差が問題文と合うかも確認します。

比の応用問題は、検算しやすいことが特徴です。答えを元の比に戻す習慣をつけると、対応ミスや計算ミスを発見できます。

中学受験で出る比の利用の応用パターン

変化の前後を比べる問題

比の利用の応用で頻出するのが、人数や金額が増減したあとの比を扱う問題です。

たとえば、あるクラスの男子と女子の人数の比が3:2で、男子が6人増えたところ、比が2:1になったとします。

最初の男子と女子を、

男子=3□
女子=2□

と考えます。

増えたあとは、

男子=3□+6
女子=2□

です。

新しい比が2:1なので、

(3□+6):2□=2:1

となります。

比を利用して整理すると、

3□+6=4□

より、

□=6

です。

最初の男子は18人、女子は12人と分かります。

変化の前後を扱う問題では、変わらない数量を見つけることが重要です。この例では女子の人数が変わっていません。

連比から3つの数量を求める問題

3つ以上の数量を扱う問題では、連比がよく使われます。

たとえば、

A:B=2:3
B:C=4:7

で、AとCの合計が58だとします。

Bを12にそろえると、

A:B=8:12
B:C=12:21

なので、

A:B:C=8:12:21

です。

AとCの比の合計は、

8+21=29

です。

実際の合計58が比の29に対応するため、

58÷29=2

が比の1です。

したがって、

A=16
B=24
C=42

となります。

連比では、3つすべての合計が与えられるとは限りません。どの数量の合計や差が分かっているかを、比の中から選ぶ必要があります。

割合・売買損益と比を組み合わせる問題

割合の問題では、百分率を整数比に直すと計算しやすくなります。

たとえば、原価の25%の利益を加えて定価をつける場合、原価を4とすると利益は1です。

原価:利益:定価=4:1:5

と表せます。

定価の20%引きで売るなら、売値は定価の80%です。

定価:売値=5:4

となります。

原価と定価の比が4:5で、定価と売値の比が5:4なので、

原価:定価:売値=4:5:4

です。

この場合、売値と原価が等しいため、利益も損失もありません。

割合の応用問題では、何を100%としているかを確認することが重要です。原価を基準にした割合と、定価を基準にした割合を混同しないようにしましょう。

速さや図形に比を利用する問題

速さでは、同じ時間、同じ距離、同じ速さのどれが共通しているかを確認します。

AとBが同じ時間進み、速さの比が3:2なら、距離の比も3:2です。

同じ距離を進み、速さの比が3:2なら、時間の比は2:3になります。

図形では、相似比から面積比や体積比を求める問題が頻出です。

相似比が2:3なら、面積比は、

2²:3²=4:9

です。

立体の相似比が2:3なら、体積比は、

2³:3³=8:27

となります。

速さや図形の応用問題が解けないときは、比だけでなく、元の単元の基本関係も確認しましょう。

比の利用の応用力を伸ばす家庭学習

基本問題と応用問題の間を埋める

基本問題が解けたからといって、すぐに難関校の入試問題へ進む必要はありません。

基本と応用の間には、条件が1つ増えた標準問題があります。

たとえば、最初は一方の数量からもう一方を求める問題を解きます。

次に、全体や差から2つの数量を求めます。

その後、比が2組出てくる連比や、途中で人数が増減する問題へ進みます。

難度を一段ずつ上げることで、どの条件が増えたのかを理解しやすくなります。

1問を3段階に分けて復習する

応用問題は、一度解説を読んだだけでは定着しません。

おすすめは、1問を3段階で復習する方法です。

当日は、解説を読み、比と数量の対応を書き直します。

2~3日後は、解説を見ずに途中まで解きます。答えまで出なくても、比をそろえられるか確認します。

1週間後は、数字や表現が似た類題を解きます。

同じ問題だけを繰り返すと答えを覚えてしまいます。最後に類題で確認することで、考え方を使えるか判断できます。

正解より解法を選んだ理由を確認する

応用力を伸ばすには、正解したかどうかだけでなく、なぜ比を使ったのかを説明させます。

たとえば、

「何が同じだったから比を使えたの?」
「なぜこの2つの比をそろえたの?」
「この数は全体と差のどちら?」

と聞きます。

長い説明は必要ありません。

「時間が同じだから、速さの比と距離の比が同じ」「Bが共通しているからそろえた」と答えられれば、解法を理解しています。

難問で止まったら基本のどこへ戻るか決める

応用問題が解けなかったときに、単元全体を最初からやり直す必要はありません。

どこで止まったかを確認しましょう。

何と何の比か分からなかったなら、比を言葉と一緒に書く練習へ戻ります。

複数の比をまとめられなかったなら、連比の基本へ戻ります。

比は整理できたのに式を立てられなかったなら、全体・差・一部分の分類を復習します。

計算だけを間違えたなら、比の理解ではなく計算方法を見直します。

原因に合った場所へ戻ることで、短い時間でも効果的に弱点を補えます。

まとめ|比の利用の応用は条件を整理すれば解ける

中学受験算数の比の利用における応用問題は、基本問題とはまったく異なるものではありません。

難しく見える原因は、比を使うと問題文に書かれていないことや、複数の比や条件を同時に整理する必要があることです。

問題を解くときは、まず何と何を比べているかを書き出します。次に、同じ種類の数量を対応させ、複数の比があれば共通する数量をそろえます。

その後、分かっている数量が全体・差・一部分のどれに当たるかを確認し、比の1を求めます。

応用問題では、連比、変化の前後、割合、速さ、図形との組み合わせがよく出題されます。しかし、どの問題でも数量の対応を整理するという基本は同じです。

家庭学習では、基本問題から入試問題へ一気に進まず、条件が1つずつ増える標準問題を間に入れましょう。

解き直しは当日、2~3日後、1週間後の3段階に分け、最後は類題で自力再現できるか確認します。

子どもが止まったときは、すぐに解法を教えるのではなく、「何と何の比?」「何が変わらない?」「どの比をそろえる?」と問いかけてください。

比の利用の応用力は、難しい発想を暗記して身につけるものではありません。条件を一つずつ整理し、基本のどこを使うか判断する練習を重ねることで、初めて見る問題にも対応できるようになります。

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