算数の戦略的学習法 難関中学編を解説

\【中学受験】立体図形が “伸び悩みの壁” になっていませんか?/

中学受験の算数で、最も「家庭では教えにくい」と言われるのが立体図形です。

  • 平面図だけではイメージできない
  • 切断・回転・展開図が頭に入らない
  • 問題文と図が一致しない
  • 点数が安定しない

こうした悩みは、“見て・触って・動かして理解できる教材”を使うと、驚くほど改善します。

家庭学習でも、立体図形が“実際に目の前で動かせる”ことで、
子どもたちの理解スピードが一気に変わります。

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『算数の戦略的学習法 難関中学編』とはどんな本?

中学受験ママ
中学受験ママ

私、難関中を目指すならこの本を読んだほうがいいのか気になるけれど、うちの子の算数にも役立つのか不安です。

この記事では、そんな悩みに対して、『中学受験 算数の戦略的学習法 難関中学編』がどのような本なのか、どんな家庭に向いているのか、5・6年生の算数学習へどう取り入れればよいのかを順を追って解説します。

難関中学を目指していると、

「塾の宿題を全部やらなければ」
「もっと難しい問題集が必要なのでは」
「先取りしておかないと遅れるのでは」

と、やることを増やす方向へ進みがちです。

しかし、難関校を目指すほど重要になるのは、単純な勉強量だけではありません。

限られた時間を、どの学習に振り分けるかという考え方が必要になります。

その視点から算数の学習計画を考えるための一冊が、熊野孝哉氏の『中学受験 算数の戦略的学習法 難関中学編 改訂新版』です。

改訂新版はエール出版社から2022年7月に刊行され、塾選び、先取り、塾課題と自主課題、さらに5年前期から6年後期までの時期別学習法などを扱っています。

問題の解き方を教える一般的な参考書とは少し性格が違います。

「何を解くか」より一段上の、どう学習全体を組み立てるかを考えたい家庭に向く本といえるでしょう。

まず、この本を問題集だと思って購入すると、期待していた内容と違う可能性があります。

タイトルにある「戦略的」という言葉がポイントです。

熊野孝哉氏による難関中学向けの算数学習指南書

著者は熊野孝哉氏で、書籍はエール出版社のYELL booksから刊行されています。

現在確認できる改訂新版のISBNは9784753935284で、2022年7月刊行です。

本書では、単元別に多数の問題を解かせるのではなく、

塾選び
先取り
塾課題と自主課題
5年前期
5年後期
6年前期
6年後期

といった形で、中学受験算数を時間軸で考えていきます。

つまり、

「割合はこう解く」

という本ではなく、

「5年生のこの時期に何を優先するべきか」

を考えるための本です。

問題集ではなく「何を・いつ・どう学ぶか」を考える本

中学受験では、塾に通っているだけでも大量の教材が手元に集まります。

授業教材、宿題、復習問題、季節講習、テスト直し、過去問など、すべてを完璧に終わらせようとすると時間が足りません。

そこで必要になるのが、

何をやるかだけでなく、何をやらないかを決めること

です。

本書の目次にも「塾課題と自主課題」が独立したテーマとして置かれており、塾から与えられた学習と家庭側で行う学習をどう考えるかが扱われています。

ここが、一般的な算数参考書とは大きく違うところです。

特に難関中学を目指す場合、全部の問題を同じ深さまで解くより、志望校で必要になる力へ時間を寄せる必要があります。

5年前期から6年後期まで時期別に学習法を考えられる

中学受験算数では、同じ勉強法を2年間続ければよいわけではありません。

5年前期と6年後期では目的がまったく違います。

5年前期なら、

新しい単元を理解する
基本解法を増やす
計算力を安定させる

といった「土台づくり」が中心です。

一方、6年後期になれば、

志望校で取る問題を見極める
時間配分を決める
過去問で弱点を修正する

ことが中心になります。

本書が5年前期・5年後期・6年前期・6年後期と時期を分けて扱っているのは、この違いを意識するためです。

難関中学を目指す家庭に役立つ3つの考え方

本書を読むうえで特に参考になるのは、「学習量を増やす」以外の視点を持てることです。

塾の課題を全部やることが目的ではない

真面目な家庭ほど、

「宿題なのだから全部やらなければ」

と考えます。

もちろん、塾の課題を勝手に省くことを勧めるわけではありません。

ただ、宿題を終わらせることと算数の力を伸ばすことは、必ずしも同じではありません。

たとえば、図形が苦手なのに、

得意な計算問題50問
苦手な図形問題5問

へ同じ時間を使っていたら、弱点はなかなか改善しません。

家庭では問題を、

A:すぐ解ける
B:少し考えれば解ける
C:解説を見ても難しい

の3つに分けるとよいでしょう。

Aばかり繰り返す必要はありません。

一方、Cばかりに時間を使うのも非効率です。

最も力を伸ばしやすいのは、Bを自力で解ける問題へ変えることです。

先取りは「早く終わらせること」ではない

本書では「先取り」も独立したテーマとして扱われています。

著者自身も、先取りがうまく進めば塾の授業や課題を復習として機能させられるという考え方を紹介しています。

ただし、ここで注意したいのは、

先取り=6年生の単元を4年生で全部終わらせること

ではないという点です。

速く進むことを優先して、

割合が曖昧
比も曖昧
速さになると解けない

という状態では意味がありません。

先取りの目的は、塾で初めて見る状態を減らし、授業を理解・定着の時間として使いやすくすることです。

したがって、先取りが原因で基本問題の正答率が落ちるなら、一度速度を落としたほうがよいでしょう。

難関校対策では学習の優先順位が重要になる

難関中学では、すべての問題を解ける受験生だけが合格するわけではありません。

難問が含まれる入試ほど、

確実に取る問題
時間をかける問題
後回しにする問題

を判断する力が重要になります。

これは日々の学習も同じです。

たとえば毎日90分算数を勉強できるなら、

計算15分
弱点単元30分
塾の復習30分
解き直し15分

というように、目的を分けます。

「今日は算数を90分やった」ではなく、

何の力を伸ばすために90分使ったか

を見ることが戦略的な学習につながります。

算数が苦手な子でも『難関中学編』は使える?

タイトルに「難関中学編」とあるため、算数が得意な子だけの本に見えるかもしれません。

しかし、使い方次第では算数に苦手意識がある家庭にも参考になります。

子どもより保護者が読むことで活用しやすい

本書は、子どもが問題演習をするための教材というより、保護者が学習方針を考えるために読みやすい一冊です。

特に、

「塾の宿題が多すぎる」
「市販教材を追加すべきか」
「先取りを始めるべきか」
「5年生のうちに何をしておけばよいのか」

といった悩みがある家庭では、学習全体を見直す材料になります。

実際に本書を読んだ家庭の記録でも、家庭学習を進める際の確認材料になった一方、内容の一部はレベルが高く感じられたという感想があります。

したがって、書かれている方法をすべて取り入れるのではなく、自分の家庭に必要な部分を選ぶ読み方が現実的です。

偏差値が低い時期ほど難問を増やさない

難関中学を目指しているからといって、現在の算数偏差値が40前後の子に最難関レベルの問題ばかり解かせても伸びにくいことがあります。

たとえば割合で、

基本問題10問中5問しか取れない

のであれば、難関校の過去問より先に基本問題を8〜9問取れる状態へ戻します。

難関校志望だからこそ、

簡単な問題を確実に取る力

が必要です。

偏差値が低い時期は、「難関校志望だから難問」と考えるのではなく、

基礎を固める

標準問題を安定させる

応用問題へ広げる

という順番を守りましょう。

本の方法をそのまま全員に当てはめない

教育書を読むと、

「この方法を全部実践しなければ」

と思ってしまうことがあります。

しかし、中学受験では、

現在の学年
塾のカリキュラム
算数の得意不得意
志望校
家庭で使える時間

が子どもごとに違います。

たとえば先取りが向いている子もいれば、復習を優先したほうが伸びる子もいます。

本書は「正解をそのままコピーする本」というより、家庭の学習方針を考えるための判断材料として使うほうがよいでしょう。

家庭で実践する算数の戦略的学習法

では、家庭学習ではどう落とし込めばよいのでしょうか。

学年ごとに考えてみます。

5年生は土台づくりと弱点発見を優先する

5年生では難関校の過去問を大量に解く必要はありません。

優先したいのは、

計算
割合

速さ
場合の数
平面図形

など、6年生でも繰り返し使う土台です。

たとえば1週間の学習を振り返り、

割合:8割正解
速さ:5割正解
図形:7割正解

なら、翌週は速さへ少し多めに時間を振ります。

すべての単元を同じ時間だけ勉強するのではなく、弱いところへ時間を移すのが戦略です。

6年前期は志望校レベルとの距離を確認する

6年前期になると、単に「算数が得意・苦手」ではなく、

志望校で何が必要なのか

を見る必要があります。

たとえば志望校で頻出する単元が、

速さ
立体図形
数の性質

なら、この3分野の完成度は重点的に確認します。

一方で、難しい問題を全部完成させる必要はありません。

模試や志望校別教材を使って、

基本問題は取れる
標準問題で失点する
難問はほぼ解けない

など、現在地を分けます。

改善効果が大きいのは、まず標準問題の失点です。

6年後期は「できない問題」より「取る問題」を決める

6年後期になると、時間には限りがあります。

この時期に最も避けたいのが、解けない難問ばかり追いかけることです。

過去問を解いたら、

絶対に取る問題
できれば取る問題
捨ててもよい問題

に分けます。

たとえば100点満点の入試で合格に必要な得点を考えたとき、難問10点を取るより、計算・小問・標準問題の取りこぼし15点をなくすほうが現実的なことがあります。

戦略的学習とは、難しいことをすることではありません。

合格に必要な得点から逆算して、優先順位を決めることです。

まとめ|難関中学編は「勉強量」ではなく「勉強の選び方」を考える本

『中学受験 算数の戦略的学習法 難関中学編 改訂新版』は、熊野孝哉氏による算数学習の指南書で、塾選び、先取り、塾課題と自主課題、5年前期から6年後期までの時期別学習などを扱っています。

問題演習をする参考書というより、

今の勉強法でよいのかを考える本

と捉えると分かりやすいでしょう。

難関中学を目指す家庭では、どうしても、

もっと勉強する
もっと問題集を増やす
もっと難問を解く

という方向へ進みやすくなります。

しかし、子どもに使える時間は限られています。

だからこそ、

今いちばん伸ばすべき単元は何か
塾課題のどこを重点的に復習するか
先取りと復習のどちらを優先するか
いつまでに何をできるようにするか

を考える必要があります。

算数が苦手な子の場合も同じです。

難関校を志望しているから難問を解くのではなく、現在の理解度に合わせて、

基礎

標準

応用

志望校対策

と段階を上げていきます。

本書を読む際も、書かれている方法をすべて実行する必要はありません。

「わが家の場合、どこを変えると算数の学習効率が上がるだろう」

という視点で読むことで、塾任せでも教材任せでもない、家庭ごとの算数学習の方針を作りやすくなります。

難関中学を目指すうえで本当に必要なのは、勉強時間を際限なく増やすことではありません。

限られた時間を、合格につながる学習へ優先的に使うこと。

これが「算数の戦略的学習法」を家庭で実践するときの基本になります。

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