受験算数の和差算|偏差値60へ伸ばす解き方

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中学受験の算数で、最も「家庭では教えにくい」と言われるのが立体図形です。

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和差算で偏差値60を目指すために必要な力

中学受験ママ
中学受験ママ

基本の和差算は解けるのに、うちの子が模試では点を取れず焦ります

この記事では、受験算数の和差算で偏差値60を目指すために必要な力、複合問題の解き方、家庭で行いたい具体的な演習法を順を追って解説します。

和差算は、2つの数の和と差から、それぞれの数を求める問題です。基本公式を使うだけなら、難しい単元には見えません。

しかし、偏差値60を目指す段階では、和と差がそのまま書かれた問題だけを解けても十分ではありません。「何個渡すと同じになる」「数年前の合計が分かる」「3人のうち2人を求める」など、必要な和や差を自分で作る問題への対応が求められます。

難問ばかりに挑戦する必要はありません。まず標準問題を確実に取り、少しひねられた条件を整理できる状態を作ることが、偏差値60への現実的な道筋です。

基本公式を使えるだけでは足りない

和差算の基本公式は、次の通りです。

大きい数=(和+差)÷2
小さい数=(和-差)÷2

例えば、2つの数の和が50、差が14なら、大きい数は次のように求められます。

(50+14)÷2
=64÷2
=32

小さい数は18です。

このような基本問題は、偏差値60を目指すなら短時間で正確に処理したいところです。しかし、入試や模試では、和や差が直接書かれていない場合があります。

公式を知っていることは出発点です。実戦では「どの2つの数について、何を和とし、何を差とするか」を判断する力が必要になります。

和と差を自分で作る力が必要

偏差値60前後の問題で差がつくのは、与えられた条件から和や差を作る場面です。

例えば、「兄が弟に5枚渡すと同じ枚数になる」と書かれていても、最初の差が5枚とは限りません。

兄は5枚減り、弟は5枚増えるため、差は10枚縮まります。

5+5=10枚

この10枚が最初の差です。

また、2人の人数が全体の80%と示されている場合は、割合を使って和を先に求めます。

和差算そのものより、「使う前の準備」ができるかどうかが重要です。

偏差値60では標準問題を落とさないことが重要

偏差値60を目指すと聞くと、難問を数多く解く必要があるように感じるかもしれません。

しかし、模試や入試でまず必要なのは、受験生の多くが正解する基本問題と標準問題を落とさないことです。

和差算では、次のような失点を減らすことが先です。

・和と差を逆に使う
・大きい数と小さい数を取り違える
・渡した数をそのまま差にする
・最後の検算をせず計算ミスに気づかない

難しい一問を解けるようにするより、取るべき問題を安定して取る方が成績は伸びやすくなります。

偏差値60につながる和差算の基本完成法

和・差・大小の4項目を整理する

次の問題を使って基本を確認します。

「兄と弟の持っているカードは合わせて54枚です。兄は弟より10枚多く持っています。それぞれ何枚ですか」

計算前に、次の4項目を整理します。

和……54枚
差……10枚
大きい数……兄
小さい数……弟

この準備を毎回行うと、数字や答えの取り違えを防げます。

文章が長い問題でも、最終的にこの4項目へ整理できれば、基本の和差算として解けます。

線分図から式を作れるようにする

兄を長い線、弟を短い線で表します。

兄 |――――――――――|
弟 |――――――|
差     |――|10枚

小さい数である弟を求めるなら、兄の余分な10枚を全体から取り除きます。

54-10=44枚

この44枚は、弟と同じ枚数が2人分です。

44÷2=22枚

弟は22枚、兄は32枚です。

線分図を書く目的は、公式を忘れないためではありません。なぜ差を引くのか、何が2つできたのかを確認するためです。

式の意味を言葉で説明する

偏差値60を目指すなら、正解したかだけでなく、式の意味を説明できるか確認しましょう。

54-10=44枚……弟と同じ枚数2人分
44÷2=22枚……弟1人分
22+10=32枚……兄の枚数

このように、途中式へ短い説明を添えます。

「公式だから」としか説明できない場合は、問題の形が変わったときに解けなくなる可能性があります。

反対に、「差を取り除くと小さい方が2つできる」と説明できれば、基本の考え方は安定しています。

和と差の両方で検算する

答えが出たら、2つの条件へ戻します。

兄32枚、弟22枚の場合、和は次の通りです。

32+22=54枚

差は次の通りです。

32-22=10枚

和と差の両方が一致しているため、正しいと判断できます。

偏差値60を目指す段階では、解き方を増やすだけでなく、取れる問題を落とさない工夫が必要です。

検算は、時間が余ったときだけ行うものではありません。和差算の最後の手順として身につけましょう。

偏差値60で差がつく和差算の問題

渡す・移す問題から本当の差を求める

次の問題を考えます。

「兄と弟は合わせて64枚のカードを持っています。兄が弟に6枚渡すと、2人の枚数が同じになります。最初はそれぞれ何枚ですか」

兄が6枚渡すと、兄は6枚減り、弟は6枚増えます。

したがって、最初の差は次の通りです。

6+6=12枚

和64枚、差12枚なので、兄は次の枚数です。

(64+12)÷2
=76÷2
=38枚

弟は26枚です。

渡す問題では、「片方が減る量」と「もう片方が増える量」の両方を見ることがポイントです。

年齢問題で変わる和と変わらない差を分ける

年齢問題では、2人の年齢差は何年たっても変わりません。

例えば、現在の母と子の年齢の和が48歳で、母は子より28歳年上なら、現在の年齢は和差算で求められます。

母の年齢は次の通りです。

(48+28)÷2
=76÷2
=38歳

子は10歳です。

一方、2人の年齢の和は時間とともに変化します。5年後なら2人とも5歳ずつ年を取るため、和は10歳増えます。

年齢問題では、次のように整理しましょう。

差……何年たっても変わらない
和……1年ごとに人数分だけ増える

この違いを理解すると、数年前や数年後の条件を含む問題にも対応できます。

3つの数量から2つの和と差を作る

偏差値60を目指す段階では、3人や3種類が登場する問題にも慣れておきたいところです。

例えば、次の問題です。

「兄、姉、弟の3人で合計90枚のカードを持っています。姉は24枚持ち、兄は弟より10枚多く持っています」

まず、兄と弟の和を求めます。

90-24=66枚

兄と弟の差は10枚です。

これで和差算に必要な条件がそろいました。

兄は次の通りです。

(66+10)÷2
=76÷2
=38枚

弟は28枚です。

3つの数量が出たときは、すぐに全部を求めようとせず、「どの2つについて和と差が作れるか」を探しましょう。

割合や平均と組み合わせた問題を解く

和が割合で示される問題もあります。

「ある学校の6年生は150人です。男子と女子の合計は全体の80%で、男子は女子より12人多くいます」

まず、男子と女子の和を求めます。

150×0.8=120人

和は120人、差は12人です。

男子は次の通りです。

(120+12)÷2
=132÷2
=66人

女子は54人です。

平均が出る問題では、「平均×個数」で合計を求めてから和差算を使う場合があります。

複合問題では、最初から和差算の公式へ入れず、和と差がそろっているかを確認してください。

和差算を得点源にする家庭学習

基本・変形・複合の順に演習する

家庭学習は、次の3段階で進めます。

第1段階は、和と差が直接書かれた基本問題です。

第2段階は、「多い」「少ない」「渡すと同じ」など、表現を変えた問題です。

第3段階は、年齢、割合、3人の数量などを組み合わせた複合問題です。

基本が曖昧なまま複合問題へ進むと、解説の手順を覚えるだけになりやすくなります。

まずは基本問題を、線分図と説明を使って安定して解ける状態にしましょう。

1日15分で判断と説明を練習する

1日の学習は15分程度でも構いません。

基本問題を1問
変形問題を1問
式の意味の説明を1回

この組み合わせで進めます。

問題文を読んだら、計算前に次の内容を言わせましょう。

「求める2つは何か」
「和はいくつか」
「差はいくつか」
「差はそのまま書かれているか」

解答時間を短くする前に、正しい方針を立てる練習を優先してください。

間違いを4種類に分けて直す

和差算の誤答は、次の4種類に分けられます。

1つ目は、和差算だと気づかない判断ミスです。

2つ目は、和や差を読み違える条件整理のミスです。

3つ目は、差を足すか引くかを間違える立式ミスです。

4つ目は、割り算や足し算を誤る計算ミスです。

判断ミスなら、問題から和と差を探す練習をします。

条件整理のミスなら、4項目を書き出します。

立式ミスなら、線分図へ戻ります。

計算ミスなら、和と差の両方で検算します。

原因に合った復習を行うことで、同じ問題を繰り返すだけの学習を避けられます。

偏差値60へ進む完成基準を確認する

次の状態になれば、和差算は偏差値60を目指す土台として整ってきたと考えられます。

・基本問題を1分から2分程度で正確に解ける
・和と差が直接書かれていなくても整理できる
・渡す問題で差が2倍動く理由を説明できる
・年齢や割合との複合問題で、先に求める条件を判断できる
・数日後でも線分図と式を再現できる

すべての難問を解ける必要はありません。

標準問題を安定して取り、少し条件が変わった問題でも方針を立てられることが、偏差値60への重要な目安です。

まとめ|偏差値60の和差算は条件を作る力で決まる

受験算数の和差算で偏差値60を目指すには、基本公式を覚えるだけでは足りません。

公式は次の通りです。

大きい数=(和+差)÷2
小さい数=(和-差)÷2

ただし、実戦では和や差が直接書かれていないことがあります。

渡す問題では、片方が減り、もう片方が増えるため、差は渡した数の2倍動きます。

年齢問題では、年齢差は変わりませんが、年齢の和は時間とともに変化します。

3つの数量がある場合は、1つを全体から引き、残り2つの和を作ります。

割合や平均がある場合は、先に合計を求めます。

問題を読んだら、次の順番で整理しましょう。

求める2つの数量を決める
和を見つける、または計算する
差を見つける、または条件から作る
線分図で大小関係を確認する
和差算でそれぞれを求める
和と差の両方で検算する

偏差値60へ伸ばすために必要なのは、難問を大量に解くことではありません。基本と標準を落とさず、見慣れない表現から和と差を作れるようになることです。

家庭では正解数だけでなく、「なぜこの数字が和なのか」「差はどの条件から出したのか」を説明できるか確認してください。和差算を条件整理の問題として理解できれば、年齢算や分配算など、ほかの文章題にも応用できる力が育ちます。

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